今年の冬は今のところ暖かいので、各地で雪不足の為スキー場がオープンできないとか、普段結氷する滝や湖が、全く結氷する気配がないとか、気象の異常と思われる現象が相次いでいます。
今回は、普通に寒い冬だった2018年2月に、5年ぶりに全面結氷して、御神渡りも発生した諏訪湖に行ってきた時のことを、写真で紹介しようと思います。
諏訪湖はかつて、ほぼ毎年全面結氷する湖でしたが、最近はその頻度が大きく減ってきており、全面結氷した時に発生する御神渡りが、平成の31年間でわずか9回、率にして3割程度でしか(昭和の時は8割以上の確率で発生していた)出現しませんでした。
旅人は2018年、諏訪湖の御神渡りが久しぶりに発生したというニュースを知って、今まで見たことが無いものでしたから、手術目前だった旅妻の病気平癒祈願のため、諏訪大社を訪れる目的もあって、行ってみることにしたのです。
まずは、この写真。
これは、その時の結氷した諏訪湖です。
実施に行ってみて、湖岸から眺めると、思っていた以上になかなか壮観な景色です。
そして、この凍った湖を眺めると、遠くに、凍った湖の氷が大きく盛り上がったものが一直線に伸びている現象も見れました。
それが御神渡りです。
水は凍ると体積が大きくなるので、これに寒暖差が重なると、湖面の表面積よりも氷が大きくなり、その歪が溜まった部分で、氷が大きく盛り上がってしまう現象が発生するのですが、それを言います。
それではまず、この旅のスタートからに戻ります。
旅は、新宿駅からスタートです。
こちらのE353系は、新型の特急スーパーあずさ。
現在では、あずさ・スーパーあずさは、この車両に全部変更となりましたが、当時はまだ半分程度の変更で、残り半分は旧型車両でした。
これに乗って、下諏訪駅に向かいます。
こちらが下諏訪駅到着の様子。
下諏訪駅では、思っていた以上に、沢山の人が降ります。
諏訪地域は、精密産業が盛んで、大手精密メーカーのセイコー・エプソングループの工場や日本電産に買収されたことで傘下入りした日本電産の子会社が沢山あり、非常にビジネスマンが多い地域なのですが、この日は土曜日ですから、この降車した人々の大半は、観光客です。
そして、その目的は、温泉と諏訪湖(御神渡り)、諏訪大社への参拝等です。
この駅は、諏訪大社の下社が近いので、ここで降りたほとんどの観光客は、下社に向かいます。
下社で最も近い秋宮には、駅から歩いて10分くらいで着きます。
こちらが下社・秋宮の幣拝殿。
歴史ある諏訪大社の重厚な雰囲気を感じさせます。
こちらは、秋宮の神楽殿。
両方でお詣りして、それから下社の春宮というところに、徒歩で向かいます。
秋宮から春宮は、歩いて20~30分くらい。
途中、
中山道の宿場町だった雰囲気を残す界隈を通り抜け、その先の住宅街を、てくてくと歩いて行くこと約20分。
目的の春宮に到着です。
こちらが春宮の鳥居。
境内に入っていくと、
春宮の神楽殿やご神木が見えてきます。
その奥には、本殿の「幣拝殿」があります。
春宮も秋宮も、造りは似ているので、写真で見るだけだと、一瞬区別がつきませんでした💦
こちらでも、病気平癒を祈りました^^
一通りお詣りが終了した後は、下社の春宮から、歩いて下諏訪駅に戻ります。
ただ、もうこの時点で午後2時頃。
お昼を食べていなかったので、お腹が減っていましたから、春宮の参道沿いにあるお店を覗き、その中で丁度席が空いていた御蕎麦屋さんに入り、山菜そばを食べて、腹ごしらえしました。
食事を終えて、再び参道を駅の方に向かい始めると、途中で
このようなものがあります。
これは、「下馬橋」といって、この橋は、身分に関係なく、馬を降りて渡らなければならなかったそうです。
そして、この橋が、下社で一番古い建造物で、室町時代に作られたものとのこと。
この日の宿は「紅屋」さん。
上諏訪温泉でも、大きな宿の一つです。
部屋は
上層階でフルリフォームしたばかりの、こちらのコンフォートルームが、安く出ていたので予約しました。
ちなみに、非常に有名な諏訪湖の花火大会の時は、この宿だと、一人1泊5万円は取られます。
諏訪湖の花火大会、非常に規模が大きく、また終了後の電車が首都圏の満員電車並みに混むことでも有名です。
話は戻ります。
花火大会の日だけは馬鹿高になる、その理由は
窓からのこの景色。
目の前が、花火大会のメイン会場なのです。
結氷した諏訪湖を部屋から眺めていると、日が沈んでしまいました。
こちらのお宿、大浴場は最上階にあり、諏訪湖を眺めながら、温泉に浸かれます。
夕・朝食共に、料理は、なかなかの美味でした。
写真もありますが、今回は省略します。
翌朝、チェックアウト後は、近くにある間欠泉を見に行きました。
結氷した諏訪湖岸を歩きながら、間欠泉センターへ。
しかし、本当に見事に結氷していますね^^
こちらが、上諏訪温泉の間欠泉センター。
1983年に温泉掘削中に突然噴出した時には、自噴で高く吹き上がっていたことから、非常に話題になり、旅人も子供心に、大きく取り上げられていたことを薄っすら覚えていますが、今では自噴しなくなり、コンプレッサーで圧縮空気を送り込んで、噴出させているそうです。
これを見学後、温泉街を歩いて上諏訪駅に。
帰りも、スーパーあずさに乗って新宿へ。
この車両(E351系)は、既に運用が終了し、全車両が廃車となったので、もう乗ることも見ることも出来ません。
この時には、既にそのことが決定していたので、記念として初めて乗ってみました。
反対側のホームに止まっている「あずさ」も、既にあずさとしての運用は終了し、来春から伊豆方面の特急踊り子号として、改装された上での運用が決まっています。
新宿から2時間で行ける諏訪の冬旅。
諏訪大社は、非常に由緒があり、特に7年毎(厳密に言うと6年毎)の御柱祭は著名行事です。
車で行かれる方は、諏訪大社の「上社」が高速道路のインターに近いので、そちらを訪れる人が多く、電車で来る方は今回旅人が訪れた、街中にある「下社」となります。
(バスも走っていますが、本数は非常に少ないです)
今年の諏訪湖は、とても結氷しそうもありませんが、次に結氷した際には、諏訪大社と併せて訪問し、温泉を楽しんで帰ってくる旅なんて、どうでしょうか?
諏訪は寒いですが、大雪が降る場所ではないので、冬でもアクセスに支障が生じる可能性は低いですし、冬ならではの旅先として、お薦めしたいと思います。