「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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大発会は厳しいスタートに

 

 日本が年末年始休暇中に、世界相場の情勢は一変してしまいました。

 その状況をつぶさに見ていきましょう。

 昨年の12月27日に、イランが支援するシーア派民兵組織により、イラクの基地が攻撃されて、アメリカ人の民間人が死亡するという事件(この攻撃の背景は、あくまでアメリカ側の発表によるものです)が発生していたので、大納会も少しきな臭い状態ではありました。

 ですから、年末年始持越しポジション調整の売りに、海外筋の売りも入ったことで、売り圧力が月末特有のドレッシング買いを上回り、大納会終値は安かったのでしょう。

 そして、12月30日に、アメリカは報復としてイランの支援を受けた武装勢力空爆を行って(25人死亡)いました。

 このように年末の時点で既に、ネガティブサプライズ発生に至る伏線があったわけですが、その後イラクアメリカ大使館が抗議デモで包囲されてしまい、そのニュースを見た最高司令官のT氏が、最強硬派の提案を受け入れて、今年の1月3日、アメリカ側の報復攻撃が行われた結果、今度はイランで英雄視されていた軍司令官が死亡し、一気にリスクオフに。

 為替は、27日の事件発生後、やや円高に進行していたので、アメリカ時間12月31日夕方時点の日経平均先物も安く(大納会比200円~250円安程度)なっていましたが、元旦のアメリカ株が、ご祝儀買いで大幅高になったことで、翌日には横ばい圏にまで戻しました。

 しかし、更に3日に発生したイランへの報復攻撃で、円高が一気に進み、先物も大幅安となり、今日の大発会を迎えたのです。

 

 アメリカのトップがT氏である限り、日本の長期休暇中に、突然のネガティブリスクが発生する可能性を考えて、常に備えておかなければならないというのが、この3年間の教訓なのだと思います。

 昨年、11連休という超長期休みだった日本のGW中にも、T氏が突如対中関税の発動を発表し、連休明け後は大幅な株安となりましたが、今回も同様の状況に。

 個人的には今回、そうした教訓があったので、幸いにも、少額のリスクオフ銘柄を1銘柄(北朝鮮・軍事関連銘柄の石川製作所)だけを買い、これのみの持ち越しにしたので、マイナスになるどころか、逆に想定外のお年玉を貰うような形になりましたが、この銘柄選びはただ運が良かっただけです。

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 しかし今回の対立激化は、イラン側として直ぐに終わらせられるような内容の話ではなく、アメリカが脅せば脅すほど、イランも引くことは出来ず、何らかの形で必ず報復するでしょうから、少し引きずるのは確実だと思います。

 実際、今日になってアフリカのアメリカ軍基地が、反米武装組織に攻撃され、死者が出ましたし、既にイラン軍が異常な厳戒態勢に入り、アメリカ側も身構えているようですので、イラン側が喪に服すと発表した3日間を過ぎた後が、非常に危険なのかなと感じます。

 こうした情勢の急速な悪化に加え、ちょうど今が北半球の冬で、原油の需要期であり、もともと原油高になりやすい地合いがあるわけですから、原油高デメリット銘柄(特に空運・海運)を持っている場合は、一旦処分を検討し、原油高メリット銘柄(元売り各社)や円高メリット銘柄等を組み入れて、当面はアメリカとイランの対立リスクヘッジとして補うのが良いのかもしれません。

 ただ、アメリカはシェール革命で産油国に変貌し、経済に対する中東リスクが非常に低いことと、ここ数年の相場は、金融緩和の影響が非常に大きく、買いが売りよりもだいぶ強いので、悪材料を織り込んでしまうと、直ぐに上げ転換しやすいという点も考慮しておかないといけないですね。