今週の日本株
10日(月)
新型肺炎で利下げ期待が高まっていたアメリカ株が、経済指標が良かったことやコロナ肺炎の新規患者数が漸減し始めたことで、FRBの利下げ期待が遠のき、金曜日に下落したことから、終始弱含みで推移。
12日(水)
Tモバイルとスプリントの合併が承認されそうだとの報道でSBG株が急騰。
それ以外では、新型肺炎の新規患者数は約2000人と減少傾向は続いているものの、今度は逆に、中国当局発表の数字の信ぴょう性に疑問が生じたことや実経済への悪影響が再懸念され始め、また現在発表されている日本企業の決算が半導体・5G系銘柄を除き、軒並み大幅減益であることから、横ばい圏で終了。
13日(木)
寄り付き前に、中国当局が、新型肺炎の新規罹患者数が前日の7倍の約14800人に急増したと発表したことで、水曜日のアメリカ株が大きく上がった楽観ムードが消え去り、終日弱含みで推移。
14日(金)
ミニSQ算出日でしたが、前日の晩に日本国内で、中国への渡航歴のない新型肺炎の患者が次々と報告され、死者も出てしまい、リスクオフムードに。
今週後半に、新型肺炎の患者が次々と出てきて、死者も出てしまい、潜在的に日本国内で流行し始めている一端が明らかとなりました。
インバウンド需要の喪失や中国の反発を恐れて、春節の時に中国人観光客をそのまま受け入れ続けたツケを払う時が来てしまったようです。
実際、春節時期に旅人がスキーに行った白馬も湯沢も、沢山の中国人観光客が来ており、その様子を見て「潜在的に感染している人もこの中に多数いるだろうし、大丈夫かなあ」と心配していましたが...
実は、厚労省、新型肺炎の検査対象を「中国渡航歴のある者又は中国人と接触のあった者」に限定しているので、それ以外のケースでは、たとえ医者が新型肺炎を疑った患者であっても、この限定条件を満たしていなければ役所特有の柔軟性を欠く対応で門前払いにし、検査要請を受け入れていません。
ですから、今週末に新しく発覚した新型肺炎罹患者は、国では無く、全て医師や病院側の要請に基づいて、都道府県側で実施した検査結果から判明したものなのです。
このような裏の経緯があったので、ダイヤモンドプリンセス号以外では、一時的に日本における感染者が全く出ていない状況となっていたというわけです。
罹患が疑われても、中国湖北省への渡航や湖北省の人との接触が無ければ、国が新型ウィルスの有無の検査を拒否していたのだから、新規患者が発見されないのは当たり前のことですね。
既に中国人の入国を拒否しているシンガポールでは50人以上、温暖湿潤な東南アジア各国でも数十人単位での感染が発覚しているのに、乾燥して寒い時期でウィルス感染が極めて広がりやすく、春節に中国人観光客が数十万人も大挙して来ていた日本において、感染が広がっていないという楽観的すぎる報道が相次いでいたこと自体が、大きな勘違いだったということです。
日本政府の対策が全て後手後手に回っているこうした状況から、おそらく、日本国内では市中に新型肺炎のウィルスが相当蔓延しており、いまや、非常に不味い状況です。
更には、ダイヤモンドプリンセス号の措置に対する世界的な批判が高まっており、業を煮やした各国政府は、既に日本政府に対して自国民の下船要求をしていましたが、官邸はそれを拒否し続けていました。
ですから、各国は最終的にアメリカ頼み(日本はアメリカの要求は直ぐ飲むので)という状況だったのですが、腰が重かったアメリカ政府も、乗船している約400人のアメリカ人を救うために、下船させて自国で引き取る決断を発表し、他国も同様の対応を取ることが出来るようになりました。
ただ、この措置も遅すぎで、あと数日で下船出来るのに、今更帰国しても、あと2週間隔離されるのは酷いという意見も乗客の間では強く、拒否して19日に下船する客もいるようです。
いまや、ダイヤモンドプリンセス号は「第2の武漢」と世界では言われており、船内に閉じ込めるだけで感染者を激増させ、「新型肺炎の棺桶」と化しただけの結果にしてしまった日本政府の無為無策ぶりに「危機対応能力の欠如が著しい」と世界中から大批判を受ける事態となっています。
ダイヤモンドプリンセス号と同様の事態が発生していたイタリアでは、2人の新型肺炎患者が乗っていた合計約6000人が乗る巨大クルーズ船に対して、12時間留め置きをした後、下船を許可して外国人乗客を帰国させる措置を取りましたが、その後、感染者が増えるようなことはありませんでした。
このような冷静かつ、感染の連鎖を断ち切るための英断が、今回の問題に対する正解だったのであって、硬直した考えに固執し、世紀の大失敗を犯した今回の日本政府の数々の対応については、今後全面的に改めて挽回しないと、既に5ヶ月後に迫っているオリンピック開催が、代替地で実施する可能性をIOCは密かに検討し始めているので、その場合には経済的にも厳しいオリンピック不況に陥るかもしれませんね。
こうした状況を横目に、既に海外投機筋は、今後の日本国内における新型肺炎患者の激増を予想して、先週後半から日本株先物売りを仕掛け始めており、来週の日本株は新型肺炎蔓延を理由に本格的な売り浴びせを食らう可能性もあるので、注意した方が良いと思います。
個人的には、今週も決算発表期が続いているのでポートフォリオの入れ替えも激しく、引き続きかなり入れ替えをしました。
2月7日(金・先週)
買い持越し:コシダカ(2159)・住友大阪(5232)・住友鉱山(5713)・SB(9434)
空売持越し:アルフレッサ(2784)
2月10日(月)
利確:アルフレッサ・SB(PTSで)
損切:住友大阪・住友鉱山
買い持越し:コシダカ・ハウスドゥ(3457)・電通(4324)・レナウン(3606)
空売持越し:東邦亜鉛(5707)・JR九州(9142)・サンドラック(9989)
2月12日(水)
利確:東邦亜鉛・サンドラック
買い持越し:コシダカ・ハウスドゥ・電通
空売持越し:東海カーボン(5301)
2月13日(水)
損切:電通・ハウスドゥ・大王
デイ買い:クラレ・JXTG(5020)・大王製紙(3880)
空売持越し:ソニーFH(8729)・PCデポ(7618)・ラクス(3923)
2月14日(金)
損切:PCデポ・東芝
プラマイゼロ:電通・コシダカ
デイ買い:DIC・東芝
買い持越し:キリン(2503)・ユニバーサル(6425)・アートSHD(3663)・藤田観光(9722)
空売持越し:沢井製薬(4555)
先週、買い持ち越した住友大阪セメント・住友金属鉱山は、残念ながら株価が下がりましたので、損切撤退となりました。
また水曜日はスキーに行っていたので、取引を控えたこともあり、今週は月曜日の負けがそのまま残る形で終わってしまいました。
木曜日夜に、日本国内で新型肺炎流行の兆しが出てきたので、週末持ち越し分は、空売りをそれなりに入れた上で最小限にし、更に金曜日の一部買い持越し分は、金曜日の夜間市場で撤退しています。