「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

旅の資金は、投資利益で捻出しています。セミリタイア家計簿も。

ついに、日本株の底が抜け、急落から暴落へ

 

 

 先週金曜日に、OPECとロシアの交渉が完全決裂し、協調減産は3月末を持って終了となりました。

 今まで減産の恩恵はアメリカのシェールオイル企業に奪われていたことから、ロシアが方針転換し、コスト勝負に打って出ることになったわけです。

 コスト高のシェールオイルは、原油安となれば存続できませんからね。

 ただ、この交渉決裂のニュース自体は、既に先週木曜日の時点で、「決裂見込み」でしたから、織り込み済みだと思っていましたが...

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 週末にサウジが、予想外の原油増産方針を示したことで、本日の原油価格が先週末比ー30%の大暴落。

 原油価格は1月初旬に、アメリカとイランの緊張から急騰し、WTIは64ドル台の高値を付けましたが、わずか2ヶ月後の今日は27ドル台と、半値以下に落ちるという酷い状況に。

 原油先物市場は、商品系では最大のマネーが入っている市場です。

 ここがわずか2か月で半値以下になるというのは、消えたマネーも相当巨額だということになります。

 

 新型コロナ肺炎の感染拡大から始まった株安・商品安は、ここにきて、ついに加速し始めました。

 その間に消滅したマネー(未実現利益も多いですが)は、あまりにも巨額で、簡単に立ち直れるレベルでは無くなってしまいました。

 その上、トルコに留まっていた数百万人の難民がEU諸国になだれ込もうとしており、国際情勢も極めて悪くなってきています。

 

 ところが、アメリカのT大統領は、EU諸国等が急速な新型肺炎の蔓延に苦しんでいるのに、「アメリカの準備は出来ている、万全だ」と繰り返し述べるだけで、自身の政治集会に感染者が参加していたことが判明しても、そのまま継続開催しており、どこか他人ごとの姿勢のまま。

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 アメリカ国内でも既に蔓延し始めた新型肺炎に対して、中国とイランに対して国境を閉ざしたこと以外、特にこれといった対策を取っていないことから、今後アメリカでも急速に感染が拡大し、パニックが発生する危険性が非常に高まっていると思います。

 このままだと今週中にアメリカ国内の感染者数は、数千人レベルに...

 実はアメリカの事前対策もかなり甘く、アメリCDCの当初の検査方法に問題があって、陽性判定の信頼性が揺らいだこと等も影響し、現在の急速な感染に対して検査能力が日本同様にパンクして、検査の遅延が大量に発生しており、批判が非常に強まっています。

 そしてT大統領は、自己の失敗を他人のせいにする性質があるので、今後アメリカ国内で新型肺炎が急速に広がって、批判の矛先が自己に向けば、「感染が広がったのはアメリカ以外の国の対策が甘いからだ」と、直ぐに他国のせいにして、突如として国境封鎖等の過激措置に走る可能性も非常に高くなってきているわけです。

 そうなると当然、入国禁止措置の対象は、現在の中国・イランだけではなく、日本・韓国・イタリア・フランス・ドイツ・スペイン等となるので、その措置が取られた時点で、日本経済は大きな景気後退入り確定となります。

 

 そして日本。

 今日から中韓に対して入国制限を掛け、事実上国境を閉ざしましたが、この類の措置の、導入は簡単なものの、終了させるのが難しいのです。

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 相手国の感染者がほぼゼロにならないと、簡単には打ち切れませんからね。

 そして、国境を閉ざせば、インバウンド需要だけではなく、ビジネスも完全に止まってしまいます。

 お互いに2週間ずつ、留め置きされたら、何もできませんから。

 日本経済は中韓と相互依存度合いが非常に高く、経済的な影響は極めて大きいのが実態です。

 ごくわずかに残っていたインバウンド需要も完全に消滅した上、インバウンド以外の経済にも大きな悪影響を与えます。

 こうした悪影響に対して、とっくに国内の感染が広がっている時点で入国規制を掛けても、その抑止効果は非常に限定的であると見込まれることから、「官邸がやけくそになった結果の対応だ」と言われても仕方ありません。

 それでも官邸が突如、中韓に対して今更ながら国境を閉ざすのを決めた最大の理由は、厳しい批判にさらされ続けていることもありますが、「アメリカに入国制限を掛けられたくない・オリンピックだけは開催したい」という思いからなのでしょう。

 でも、欧米諸国でここ迄感染が広がり、イタリアでの死者数は尋常ではなく、人々の心に新型肺炎の恐怖心が植えつけられてしまった以上、奇跡的に新型肺炎ウィルスが5月中で消滅でもしない限り、「7月オリンピック開催OK」という雰囲気が国際的に醸し出されるには厳しい情勢でしょう。

 

 このように世界経済が急激に悪化する事象が相次いでいることに対して、世界のアナリストからは、ついに「アメリカのリセッション入りも近い、株価はまだ高すぎるので短期的にNY株が更に20~30%下落する可能性もある、そうなればT大統領の落選もありうる」と非常に厳しい見通しが増えてきています。

 

 日本株の今日の前場の下げは、金曜日のNY株の下げ率からは考えられないレベルのものでした。 

 この主因は記録的な原油先物安でしょうが、ヨーロッパ・アメリカでの感染拡大が顕著なことと、日本が入国規制を掛けたことも大きいのだと思います。

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 20年以上相場に参加してきていますが、今日の下げを見て今回は、ここ8年間で何度か発生した大きめの下げとは、明らかに様子が違うような感じを強く持ちました。

 まだリーマン級に達する状況だとは思いませんが、ITバブル崩壊時レベルの下げは十分ありうる状況になったと思います。

 世界は緩和バブルの影響で、株価や不動産価格等は、まだまだ歴史的な高値水準にありますからね。

 そして今回の下げでは、セリングクライマックスが発生していないので、下げ止まる気配が見えてこないですよね?

 普通、これだけ下げると、大きな下げに対して、1日で売買代金4~5兆円級の下げのピークが来ます。

 それが来ると、一旦上げ転換するサインとも言えますが、今回はズルズル下げるだけで、1日の売買代金も2.5兆円~3兆円と、それほど大きく伸びてはいません。

 今日の後場は、日銀のETF買いや急速な円高に対する口先介入もあるので、下げ止まるでしょうが、今日から新たな段階に入った世界同時株安が止まらない限り、後場下げ止まった分は、明日の前場に持ち越されて大きく下げるだけなので、下げ転換した相場における人為的な介入行為には、大して意味が無いのです。

 

 個人的には、今リバ狙いで買うのは無謀だと思いますので、暫くの間は、感染の拡大と株安を横目に見ながら、手を出さずに特にアメリカの感染がどうなるのか見守りながら、チャンスを待つことが最善かなと思っています。

 パニックが起きていて、下げ過ぎなのは、間違いないのですが...

(逆に、高値での空売りを持っているのならば、保有を継続すべきでしょう)

 

 これは独り言ですが、「FRBの緊急追加利下げでもない限り、今晩のNYダウは-2000ドル級かな?」と思います。