先ほど、T大統領は、アメリカ国民向けにテレビ演説を実施しました。
昨日、記者会見から逃げたことでNY株が急落してしまい、何もしないわけにはいかないと、テレビ演説という、質問を受け付けない方法を選択。
それでも、議会での早期承認が見込めない、「給与税減税」以外の、別の大きな経済対策が発表されるのではないかと、市場では期待が高まっていましたが...
残念ながら、演説の内容には最悪なものが含まれていました。
それは、EU諸国(シェンゲン協定国)からの30日間の入国禁止措置。
これは、経済に大きなダメージを与えます。
その他は、昨日までに政権側から出ている経済対策とほぼ同じ内容。
期待に対する答えは、ほぼ「ゼロ回答」という結果に。
これでは、今晩の世界同時株安発生は避けられません。
新型コロナ肺炎に対する入国制限措置ですが、いち早く中国からの入国禁止措置を導入したイタリアやアメリカでも、中国に居た自国民や、規制の掛かっていない他国人等から、ウィルスが侵入してしまい、感染を防げなかったという例を見てわかる通り、ただの一時しのぎにしかならず、国内に感染者が大量発生してしまった段階で導入しても、効果はあまりありません。
何もしていないという批判を少しでもかわすための、政治的なアピールというだけのこと。
演説では「EUからの物の流入も停止する」と発表しましたが、株価が暴落する気配を見せたので、慌てて「貿易は変わらない、人の流入の停止だけだ」とツイートする始末。
大半が自画自賛だらけの演説に対し、「失望売り」で市場は答えました。
既に今回の演説、市場では「ト〇ンプショック」と言われ始めていますね。
欧州は新型肺炎の感染者の想定を超える急増が止まらず、危機的状態にあります。
今晩開催のECB理事会で、「0.1%の小幅利下げと、各種流動性対策」等が発表されるでしょうが、T大統領の記者会見はEU諸国にとって、そうした小さなポジティブニュースを完全に打ち消してしまうほどの大きなバッドニュース。
今日のECBの理事会で発表されるだろう各種対応策は、T大統領のお蔭?で完全に、焼け石に水となりそうです。
今日のT大統領の演説内容だと、アメリカにおける大きな財政出動はだいぶ先のことになったので、一部で噂されている、
来週のFOMCでの1%利下げ
も、現実味を帯びてきました。
もし、0.5%止まりだったら、失望売りがでてしまうので、0.75%か1%の利下げしか選択肢が無い状況に、FRBは追い込まれましたが、どうするのですかね?
唯一の希望は、中国が感染の抑え込みに成功しつつあることでしょう。
ただあそこまでの徹底的な移動・行動制限は、監視国家にしか出来ないので、他国ではそう簡単に真似できない部分が問題点です。
今日のT大統領の演説で、相場環境は更に悪化しましたので、次は、
来週半ばに実施されるだろうFRBの利下げで、株安の連鎖が止まるかどうか
という部分に注目です。
今日の後場は、日銀買いや明日のMSQ絡みの大口の思惑買いで、大きく値を戻す可能性もありますが、リバ狙いや権利取りの買いは、もう少し先の方が賢明だと思います。