昨日に引き続き、極端な原油安が止まらないですね。
今回の原油安は、「アメリカ産原油の貯蔵場所が間もなく無くなる」という物理的な理由が原因の大暴落ですから、コロナ肺炎での原油需要低迷が続く間は、止めようがないということにもなります。
逆に、WTIのマイナス価格に買いでチャレンジして、「原油の現物+現金」で引き取った投機筋が、代替え貯蔵施設となる、タンカーの調達を進めていることで、タンカー関連株が大幅高ですね。
特に今日の下げは物凄いですね。
野村系の原油ETFは低位価格のETFなので、昨日の価格に対する値幅制限の変動率が大きいことから、かろうじて値が付いています(-40%)が、それ以外は寄り付きからストップ安張り付きです。
あまりの下げ具合に思わず月曜日に手を出してしまいましたが、危険を感じてその日の夜のうちに処分せず、今日まで持っていたならば、今年の勝ちの大半が消えてしまっていたということに。
あまりよく知らない企業の株に対し、安易に手を出すと痛い目に遭うことも多いですが、商品系のETFも同じだということですね。
野村證券やSBI証券等が原油系ETF・ETN等に対し、注意喚起を発表しています。
そういえば、2018年2月には突然のNY株急落に、VIX指数の極端な大変動が発生して、ショート系VIXETNで大損する人が続出し、即日繰上償還(上場廃止)となっていましたね。(特にこの時の野村の商品は、1日で96%の大暴落でした)
ただ、この原油の暴落に対して、選挙が近いT大統領が、非常に焦りを感じているので、直ぐに何らかの口先介入をするでしょうし、OPECプラスやアメリカの州政府が減産をさせようという動きも出てきていますから、6月物の取引期日直近までは、意外と堅調に推移するのかもしれません。
今回の大暴落で一部のヘッジファンドは、非常に大きな痛手を被ったと言われています。
そのため、損失の穴埋めに利益の出ている株の売却をせざるを得なくなっているということですし、商品系で最大の取引額の原油市場の大暴落は、いずれ相場全体に大きな影響を与えるでしょうね。