沖縄は、ここ数年のインバウンド・観光ブームの恩恵を一番受けてきた県です。
2009年には、年間観光客数約550万人・失業率は約7%でしたが、
2019年には、年間観光客数約930万人・失業率は2.5%となりました。
この数字を見ると、顕著なのは、失業率の低下ですね。
特に、外国人観光客が増えたのですが、その恩恵で観光業が大きく伸び、失業率が低下したということになります。
ところが、新型肺炎が中国で発生し、海外からの観光客というインバウンド需要が消滅したところに、更には欧米にも感染が広がったことで、春の旅行シーズンなのに海外旅行が出来なくなった日本人旅行者が、3月に大挙して沖縄を訪れました。
この出来事、沖縄の観光業にとっては、「旱に対する慈雨」という感じだったのでしょう。
しかし、この大挙して訪れた日本人旅行者の中に、これは当たり前の事ですが、新型肺炎に感染した多くの無症状・軽症者が居たことで、沖縄県でも感染が広がってしまったのです。
そして今や、沖縄だけではありませんが、日本の観光地のほぼ全てが「来るな来るな」の大合唱で、観光を全否定するような状況に陥ってしまっていますね。
「来ないで」って言われてしまうこういう状況、旅行好きにとっては、非常に悲しいです。
それでは、本題に入ります。
こちらは、4月某日の那覇空港の1階到着ロビーです。
搭乗者出口に県の役人が居て、サーモグラフィーで到着客の体温を監視していましたが、そこを通り過ぎると、人はほぼゼロ。
ターミナル内の店は、ほぼ全部休みでした。
人が居たのは、沖縄県運営の観光案内のカウンターだけで、あとは全ての窓口が閉まっていました。
建物を出ると、タクシーの長蛇の列。
到着する客が居ないのだから、タクシーに乗る人も居ません。
15分ほど見ていましたが、タクシーの利用客はゼロでした。
市内も市街も、ほとんど全てが閉鎖。
首都圏以上に、あらゆるものが閉まっています。
想像以上の閉店状況に、「GWとは言え、過剰反応」のような感もしました。
用件を済ませて、トンボ帰りしましたが、帰りの時の3階出発口の
JALカウンター側はこの状況。
ANA側もこの状況。
本当に人が居ません。
そして、ターミナル内の2階。
こちらはお土産物屋や飲食店が並ぶエリアですが...
開いている店は、1割ぐらいでした。
客より、巡回中の警備員の数の方が多かったです。
セキュリティーチェック(羽田空港同様に旅人一人に職員が数名という対応となりました💦)を通過し、制限エリア内の様子ですが、
こちらも人はごくまばら...
ここで「福岡・大阪・鹿児島・石垣」に出発する便を見送りましたが、各便とも乗客は10~20人ほど。
流石に、この日の羽田行き最終便には50人ぐらいの乗客が居ました。
その内訳は、観光客半分・ビジネス客半分という感じでした。
旅人もこの最終便で帰りました。
2月から決まっていた今回の用件では、行先の人たちに迷惑を掛けないためにも、自主的に4週間以上の、「不特定多数に会わず、自宅から不要な外出も外食一切せず、ほぼ完全な隔離」を実施しました。
旅人はセミリタイアをした個人投資家ですから、一切人と会わない自主隔離をしても、収入にも生活にも影響は無いので、ある程度の感染症対策事前準備を実行しましたが、普通に仕事をしていたら難しいでしょうね。
しかし今回、このような観光大崩壊の状況を見てしまうと、危機感を覚えずにはいられません。
感染を恐れる地方の各地の気持ちもわかりますが、「来るな・来るな」は極端すぎると思います。
このままだと皆が共倒れしてしまいます。
新型肺炎は簡単に収束せず、長い付き合いとなるのは確実ですから、極端な移動制限や自粛は、GW終了後、速やかに撤回すべきでしょう。
現状は、明らかに得体のしれない新病に対する過剰反応状態であり、新型肺炎の怖さが全てに勝ってしまっていて、度を過ぎた自粛による生活崩壊のマイナス面が過小評価されていて、「病気と経済」のバランスが全く取れていません。
「来るな・来るな」撤回の代わりに、公共交通機関のマスク着用義務化や、駅や空港での健康チェック、サーモグラフィー検査等を強化し、「咳やくしゃみをしている人・明らかに体調不良の人・発熱が認められる人」は、新幹線や長距離列車、飛行機等の乗車を拒否出来るようにし、感染の恐れのある人がなるべく移動しないようにする。
常に人と人との間隔を2メートル以上は取る。
こういう措置をキチンと導入すれば、十分だと思います。
来るな来るなと言っても狭い日本。
感染力がメチャクチャ強い新型肺炎ウィルスが来るのを避け続ける事は、絶対に出来ません。
このままの過激な措置では、感染収束前に、バタバタと倒産が相次ぐだけです…