「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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突然の「東京だけ除外」は不公平の大失策。国税だからこそ「Go To Travel キャンペーン」は、全国一律でやるべきもの

 

 7月10日に突如、「7月22日から前倒しで開始する」と政府から発表があった「Go To Travel キャンペーン」。

 ところが、実施自体に批判が相次いでいることから、16日夕方に急遽「東京除外」で、分科会(旧専門家会議)に諮問という流れになりました。

 旅好きの気持ちを煽るだけ煽っといて、一週間もしないうちに、「東京関連は感染者が多いからダメ」って...

 ある意味一種の詐欺行為ですよ。

 

 この朝令暮改に対する都民の反応ですが、非常に厳しいものがあります。

 当たり前ですよね?

 除外されることについての声ですが、

    もう予約しちゃったよ

    キャンセル料は?(結論:国は負担しないそうです)

    国の税金でやるのに、(除外は)不公平だ

    離島・山間部・都県境の普段田舎扱いの街も一括で「都民ダメ」はおかしい

等、怨嗟の声が蠢いています。

 

 何といっても、一部地域を除外する最大の問題点は、

 「Go To」事業が全額国の予算で賄われることから、全国民に対してなるべく公平に行われるべきものなのに、除外地域や対象を作ってしまうと、その対象・地域の者が著しく不公平に扱われる

という「不公平感」ではないでしょうか? 

 一部の法律専門家からは、国税を使った事業で「東京だけ除外」は憲法違反のおそれとの声も。


 東京除外発表の前から、一部の地方首長は、

    「地域限定でやるべきだ

等と発言していましたが、これも不穏当な発言です。

 言うまでもなく、国税を最も納めているのは都民であり、その一部は地方交付税として常に地方に還元されています。

 納税者は平等に扱わなければならないのが原則。

    でも、

 「GoToは国の巨額の予算が付いているし、観光業は壊滅状態なのでやって欲しいが、コロナは持ち込まれたくない

という次元の低い発想で各地方の首長から安易な発言が相次いでいることは、

 非常に甘すぎる、超自己都合主義

のものでしかありません。

 また、

 「我が町・我が地域・我が県(道・府)だけが良ければそれで良い

というのは、時代錯誤の古い考え・地方の悪い面であり、こういう危機の時にそういうものは露呈します。

 〇形県などは、駅やPAで検問までやって、「都会の人は感染の恐れあり」と差別し決めつけて、追い払っていましたからね。

 「いつまで、江戸時代の幕藩体制の体質を引きずっているのですか?」と、このような極端な考え方の地方自治体には言っておきます。

 

 コロナ禍下であっても、経済優先の為、強引に行われようとしている「Go To キャンペーン」

 この経済的な恩恵を受けたいのであれば、コロナの感染が広がることはある程度受け入れざるを得ません。

 コロナの感染拡大を避けたいのであれば、「Go To キャンペーン」にキチンと物申して反対すべき。

 「経済的な恩恵は受けたいが、感染症は嫌だ」という、両得な考えは、あり得ないのです。

 「一挙両得の考えは捨てるべき」です。

 

 しかし、今回官邸側は、大批判に抗しきれなくなって、(+都知事に対する嫌がらせ)急遽東京除外を決定したのですが、一度正式に決めて大々的に発表したキャンペーンを、実施する前に変更し、一部で損害を被る人が出てしまうような対応となったことは、一種の詐欺行為であり、コロナ以後失態が相次ぐ、現政権の力の弱体化・レベルの低下を示しただけです。

 

 先に述べた通り、税金の使途は、なるべく公平でなければなりません。

 多くの税金を納めていて、全国民の9分の1以上の人口を占める都民を除外するのであれば、1.7兆円(委託費を除くと1.4兆円)のGoTo予算のうち、1000億円以上を別枠に残して、「都民だけ対象のGo To Travelキャンペーンを別に実施する」等の約束を同時に発表し、「今は我慢してくれ」というお願いをして、納税者を公平に扱う配慮をしなければ、極めて強い不公平感が残ってしまうだけです。

 現状、緊急事態宣言を再発令でもしない限り、今後しばらくは東京都の感染者が大きく減ることは無いでしょう。

 となると、今回何の除外基準も示さずに、ただ世論の批判の声をかわす(+知事への嫌がらせ)ために、「東京除外」の判断をしてしまった以上、当面は、このキャンペーンに都民が参加できる可能性が無いということになります。

 

(因みに、国交省の赤羽大臣は公明党の大臣なので、決定権はありません。全てはキャンペーン発案者が居る官邸が決めているのが実態)

 

 いくら巨額の予算が付いたと言っても、22日以後、実施され続ければ、来春には消化しきってしまうだろうこのキャンペーン。

 特にTravelには、旅行と出張の区別が付けられないという大きな欠点があり、裏技である出張関連での消化が相次ぐと、Travel分の予算はもっと早く消化してしまい、来春前に枯渇してしまう可能性もあるのです。

(現在の感染急拡大の状況でキャンペーンをやる限り、8月中(お盆明け)には、一旦中止となって、予算の消化は一部に留まるのが実情だと思いますが...)

 

 そもそも、都内で感染者が急増し、1日で200人以上感染者が出ていた7月10日に、国交省は官邸の意向を受けて、急遽キャンペーンを前倒しでやると発表したのですから、当然、批判の声がかなり大きくなることも予想していた筈で、やると決めた以上、何が何でも、全国一律に一度は実施して、批判を押し切るべきだったのです。

 元来は、現在の感染急拡大状況下で、キャンペーンを打つこと自体が無謀だったのですけどね。