「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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アメリカ・ハイテク株高の裏にSBG(ソフトバンクグループ)の影

 

 

 先週木曜日に、アメリカ・ハイテク株の値上がりの流れが急に止まり、急落しました。

 特に8月の1か月間で、異常に値上がりしていたFAANG等のアメリカ・ハイテク株の急な値下がりに、市場はやや動揺しています。

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 でも、ここ最近の異様なハイテク株高の裏に、数か月でアメリカ・ハイテク株のデリバティブ商品に40億ドルも投資していた大口の存在があったのです。

 それが、孫氏率いるSBG。

 SBGが大量に買ったと言われている、この金融派生商品ですが、勿論ハイリスク・ハイリターンの商品です。

 この商品の40億ドル分の購入は、現物株に換算すると500億ドル(5.3兆円)という大規模な買いに相当するという、非常に大きなレバレッジが利いたもの。

 現在、SBGのこの商品での含み益は約40億ドルあると言われていますが、一歩間違えれば、大きな含み損を抱える可能性もあるということで、今日SBG株は急落となりました。

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 加えて、8月末にダウを構成する30銘柄のうち、3銘柄が入替えとなったことや、アップルとテスラが、それぞれ大型の株式分割を行ったこと(特にテスラは爆上げとなった)も、8月のアメリカハイテク株急騰の原因でした。

 

 このような需給要因に加え、今年終盤の最大イベントである「11月のアメリカ大統領選」が、アメリカ株に影を落としています。

 今回の大統領選挙は、世紀の大接戦となる可能性が高く、どちらの候補が勝っても、大きな禍根を残すのは確実です。

 結果がどうであれ、長期に渡って負けた側が勝った側の勝利を認めない事態が発生する可能性が高く、そうなれば政治的な空白や大規模な暴動も発生するまでエスカレートしそうな、今回の大統領選。

 そうなった場合、アメリカの政治要因が原因での株安発生も十分あり得るということになります。

 同時に行われる上院議員選挙は今回、議席改選が大半が共和党議席であることから、共和党の敗北が見込まれ、過半数割れする可能性もあります。

(更に2022年の改選も共和党議席が大半なので、2022年の改選後は民主党が上院で60議席を占める可能性もあり、その場合トランプ政権は死に体に)

 トランプ政権は歳入増の見込みのないまま、減税をし過ぎた上に、コロナ禍も重なって、過去4年間に7兆ドル(約750兆円)もの財政赤字を発生させるという、最悪な財政運営を行っています。

 もし、トランプ陣営が勝った場合には、今回の大統領選で1年分の給与税免除(1兆ドル以上)をも公約としていることから、2期目は財政悪化が益々顕著となりのです。

 それでいて、周囲に喧嘩を売ってばかりですから、2期目は政策による経済的な上がり目が殆どありません。

 よって今、巷で秘かに言われているのは意外にも「バイデンなら増税懸念で一旦株安になるけれども、協調外交で世界経済が好転し、株高となるシナリオ」なのです。

 

 ともあれ、今回のハイテク株急落は、大統領選が近づいてきたことで、11月3日以降、政治的な大混乱が予想されることと、SBGによるデリバティブ商品の大量買いが明らかになったこと等から、大口投資家も絡んだ行き過ぎたハイテク株高に対する警戒感から、利確売りが出やすくなったのが原因でしょう。