コロナで苦境に立つ航空業界。
日本では、ANAとJALの2社が市場シェアーの大半を抑えています。
今回、市場に流れている情報では、ANAが27日発表の中間決算で、5000億円を超える巨額赤字を計上するらしいとのことですが、ここ迄の赤字計上に至った原因の一つは、2012年以降、政権に近寄り過ぎたことがあるのだと思います。
本来は、JALが政府系の半官半民の航空会社で、ANAはそれに対抗する純粋な民間航空会社であり、官営の悪い部分を尻目に、効率的な経営を行う航空会社という存在であったはずなのです。
ところが、半官半民の悪い部分を引きずったままのJALが経営不振に陥り、倒産したことと、JALの再建が、現野党が政権を担っていた時に成功したことの二つの要因で、前政権から政治的に嫌われる存在となり、逆にANAが極端に優遇されるようになりました。
航空業界は、発着枠等で当局の裁量の部分も大きいことから、政権側の好遇を利用して、JALを追い越そうとANAは拡大に邁進しましたが、そのため、「観光立国」を目指す政権の意向に沿った、極端な拡大戦略も受け入れざるを得なくなり、路線数もJALを大幅に上回る立場になったのです。
ところが、今回の突然のコロナ禍発生と長期化で、航空需要が蒸発し、拡大路線が裏目に出て、巨額赤字の計上という事態に...
民間企業の経営というのは、なるべく政治に対して是々非々で行うのが基本です。
ところが、ANAはそれを破り続けてきたことが、今回のコロナ禍で、かなりの窮地に陥った最大の要因と見るべきでしょうね。