大企業子会社による架空請求詐欺事件発覚
H.I.Sの子会社2社が、名簿業者から買い集めた不特定の個人情報や自社社員の個人情報を不正利用して、実際には宿泊していないのに宿泊業者(JHAT)と結託し、まるで宿泊していたかのように装い事務局に申請、GoToトラベル事業での補助金を不正に受給していた疑惑が公になり、調査が始まりました。
現在のところ判明しているだけで、2社合計約2万泊分の架空宿泊。
不正な受給額は6億円超だそうです。
これほど大規模な、しかも企業の経営陣が関係した組織的な不正受給の発覚は、一連のコロナ関連事業で相次ぐ不正受給詐欺でも初めてのことです。
数週間前から、企業名は伏せてあったものの、「69連泊の身に覚えのないGoToトラベル利用確認の連絡がGoTo事務局から来た」という、GoToトラベルで不正に個人情報が利用され、宿泊業者が架空宿泊計上で補助金を受給していたのではないかという疑惑が報道されていましたが、まさか旅行大手
の有名子会社が不正請求疑惑の大元だとは、思いもよりませんでした。
しかも、報道で名前の出ている「ミキ・ツーリスト」って、ヨーロッパ旅行だとよく名前を聞く会社で、実際に予約したことがあります(結局コロナ禍で、渡航できなくなりキャンセルしましたが)。
今回のGoToトラベル詐欺は旅行業者だけではなく、宿泊施設側と結託しなければ成り立たない不正請求です。
そもそも不正請求という柔らかい言い方ではなく、明らかな
「架空請求詐欺」
であり、詐欺罪で十分立件できる類のものですから、犯罪者側が大企業の子会社であっても、GoToトラベル事務局や国は詐欺事件として捜査機関に告発すべきだと思います。
日本はコロナに対し、島国根性丸出しの鎖国政策を続けていることで、海外旅行がほぼ出来なくなり、エイチ・アイ・エスが極めて苦境に陥っているのは分かっていますが、悪事に手を出した企業は、監督責任のある親会社を含めて、当然罰を受けるべきです。
しかし、コロナ禍下の数々の施策で、あらゆる詐欺が横行している状況に、日本の衰退が見て取れますね。
しかも、経産省のキャリア官僚やエイチ・アイ・エスのような大手企業の子会社までもが、平気で給付金詐欺に手を出す。
特に、GoToトラベルの架空宿泊詐欺は、旅行・宿泊業界全体が極めて厳しい状況に置かれていることから、他にも相当数あると思われ、今回発覚したものは氷山の一角でしょう。
GoToトラベル事業自体が、民間の旅行業者6社で受託・運営しているので、チェックが甘いのがこのような不正請求の原因でしょうが、今回の事件を仲間意識で庇い立てしてウヤムヤにするようなことはせず、キチンとした厳正な措置を取るべきだと思います。
税金で行われている事業なのですから。