「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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大暴落の正体は、AIバブルの崩壊

先週金曜日、値幅で史上2位の急落となった日経平均株価

金曜夜のアメリカ雇用統計が非常に悪かったので、今日は1500円安程度まで下げて、少し切り返すのかなと予想していましたが......

前場終了際には、戻し始めたものの。

後場、大崩れとなって、まさかまさかのブラックマンデー超え、4400円安とは......

 

やれ、植田ショックだとか言われていますが、日銀の金融政策決定会合の結果如きで、これ程の下げが発生すると言うのは、日銀を過大評価し過ぎでしょう。

 

下げの最大の原因は、昨年の2月頃から始まった生成AIバブルが弾けたことによるもの。

好決算を発表したNDIVIAの株価が急落するようになった7月の時点で、異変は始まっていたのです。

その後、7月中旬に対中半導体規制の強化の話が出て、中国向けの売上が多い、東京エレクトロンやスクリーンHDが急落し、相場の流れが変化。

生成AIバブル=半導体バブルなので、半導体バブルが一気に弾けたというべきでしょうね。 

そこに、アメリカのFOMC終了後発表された経済指標が非常に悪く、次回のFOMCまで約2か月の間隔があるので、FRBの利下げが遅れて、ハードランディングする懸念が急速に強まり、年初来から上げ過ぎの日本株が大暴落することになったのです。

まあ、世界一とも言われる上下変動の激しさは、相変わらず海外投機筋のオモチャと言われる日本株ってこと。

それは、上がる時も下がる時も。

 

付け加えると、アベ・クロ緩和から始まった、日本株の官製相場が臨界点に達しているというのも、大きく影響しています。

日銀ETF買い、GPIFによる日本株買い、はたまた東証の改革名目での、PBR1倍割れ是正株価対策要求(自社株買い・増配)、購入単価引き下げ要望(株式の分割)等々。

一時期は、株価100円前後の低位株の存在は許せないと、売買単位の変更を求めた東証

その結果、株式の併合が相次いだ時期もありましたが、今や、その反対のことを要求しているのだから、不思議ですね。

そしてダメ押しは、新NISAでしょう。

あらゆるカンフル剤が切れたので、最終手段として、政府が国民に株買いを勧めるという政策の実施が新NISA。

将来の不安を煽ることで、猫も杓子も投資に向かわせる、究極の官製相場というべきものなのです。

 

過去10年以上に渡り、株価を吊り上げようと、官が関与し過ぎた結果、ついに限界点に達してしまい、株安が発生する度に、買い付け枠を広げてきた日銀ETF買いは打ち止めせざるを得なくなり......

先週後半から、アメリカ経済のリセッション入りが急に取り沙汰されたことで、円キャリートレードの急速な巻き戻しによる円高が重なって、株価の下げが急加速したのです。

 

それと最近、海外投機筋が散々日本株における売り方の踏み上げ相場を繰り返したことも、今回の暴落の要因となっています。

日本株は7月上旬(8日と10日)に、ETF分配金支払いの関係で、1.3兆円もの売り需要が発生したのですが、今年は投機筋がそこを狙って、空売りの踏み上げ相場を仕掛けました。

それにより日経平均は半月で3000円も上昇し、日経平均は史上最高値の42200円を付けたものの、ここで買い需要が完全に途切れてしまったのです。

 

特に7月10日の大きな売り需要が踏み上げられたことで、空売り勢が全滅し、しかもこの時点で半導体株の株価が急騰し過ぎからの急落が始まっていたのですから、今回の大クラッシュ発生は時間の問題だったのでしょう。

イラン・イスラエル戦争の懸念も強くなったことも悪材料。

追証の発生で、今日の後場はただ下がりでしたが、流石に下げすぎ。

以後、大きな反発もあるでしょうが、アメリカ株の下げはまだ限定的で、下げの序盤という状況ですから、暫くは強い注意を払うべきだと思います。

 

相場が落ち着く条件としては、イラン・イスラエル戦争の状況がエスカレートせず、限定的な報復に留まることと、FRBが緊急利下げを実施することだと思います。

既に、今月中の緊急利下げ発表が、市場関係者の間で噂となっているそうです。

この噂っていうのは、FRBに対する市場関係者からの要望ってことなので、株安が止まらければ、近々発表される確率も高そう(市場では60%の高確率)です。