8月5日の「令和のブラックマンデー」以後、1か月間上げ続けた東京市場。
日経平均株価は約8000円も上げたので、「あの下げはなんだったのか?」という感じもします。
まあ、これも相場というしか無いでしょうね。
今振り返ってみると、その正体は、「AIバブル崩壊」が下げ相場を発生させたメインシナリオであって、そこに円キャリー取引を使って日本株買いを行っていた海外筋が、急速な円高の進行に大慌てで、こぞって一気に手仕舞いへと走ったことによる暴落だったと見ることが出来ます。
短期トレンドに従って高速取引を繰り返すCTA業者(海外投機筋)が、そこに乗っかってきたことも、下げが加速した要因でしょう。
9月2日に、日経平均株価は39020円まで戻りましたが、この時のドル建て日経平均は、7月の最高値42400円の時のドル建て価格を既に超えていますから、昨日今日の大きな下げの発生は時間の問題だったと言えます。
9月は、アメリカ株のパフォーマンスの最も悪い月ですし、再び景気懸念が広がって来たので、もう少し下げるかもしれませんが、GPIFが9月末に向けて、ウエイトの低下した日本株を買い始めたこと(今日の午前中に入ったと噂されている年金筋の買いがそれ)や、9月の権利落ち時に自動発生する配当落ち分再投資(1兆円超)の買い需要もありますので、8月5日のようなことは発生しにくいと思われます。
ただ半導体バブル・AIバブルは一旦完全に弾けてしまっています。
昨年前半から、大きく上げすぎた反動で、ここに来ても全く下げ止まりません。
象徴銘柄の一つだったディスコは、今日の下げで8月5日の年初来安値を下回り、下値の目処すら付かない状況です。
東京エレクトロンやスクリーンHDは、最高益予想ですが、これはアメリカによる半導体輸出規制の更なる強化に焦りを感じている中国政府や中国企業が、「今のうちに」と集中的に巨額の発注を続けていて、両社のように中国需要のウエイトの大きい半導体関連メーカーには大きな特需が発生していることによるものです。
しかし、こういう好業績に対しての海外投資家の評価は低いので、株価には一時的にしか反映されず、下げ続けているのでしょう。
今後どうなるか、それはわかりませんが、当面は円高傾向となるでしょうし、暫くは突然の急落に気を付けるのが良いと思います。