「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

旅の資金は、投資利益で捻出しています。セミリタイア家計簿も。

新型肺炎の影響で、旅行がしにくい雰囲気に。

 

 新型肺炎で移動禁止となっている中国人だけではなく、各国の旅行者が、中国の次にウィルスが蔓延している日本を敬遠し、インバウンド需要が消滅してしまったので、各宿泊施設は、大幅値下げをして、稼働率を少しでも上げるために客を呼び込もうと必死になっています。

 宿探しすると、非常に安くなっている宿も散見されるので、旅人も

   申し込もうかなあ

と考え、今にも「プチっ」と予約しそうになりますが、ブッフェスタイルの宿だと、「もしお客の中に一人でも感染者が居たら...」とかと考えてしまうと...

 予約を迷うという日々を過ごしています💦

 ただ、近いうちに魅力的な宿があれば、予約して格安宿泊をしてみようと考えています。

    海外からの旅行者が消えた以上、我々旅好きが旅行することで、少しでも需要を作らないと、大変な事態が続いてしまいますからね。

 

 個人的にはもう一つの問題があって、それは予約済みのクルーズツアーです。

 クルーズ船のツアーは、春になると人気のある地中海やアドリア海のツアーも再開のシーズンに入りますが、現状ヨーロッパだと、東洋人というだけで、偏見を受けるのは確実な状況だけに、今行くべきか迷いますよね。

 旅人としては、旅妻の病状が落ち着いているうちにという理由で、今年の5月にアドリア海のクルーズツアーを予約していたのですが、この情勢ですし、3月に入るとキャンセル料が発生してしまうので、

  キャンセルするか

それとも5月に新型肺炎は落ち着いていると見て

  このまま強行するか

と日々非常に悩んでいるところです。

 病気が無ければ、「また来年で」という決断をして、既にキャンセルしていると思いますが、小康状態ではあるものの、あっちこっちに気になる症状も出ているので、来年に行けるかどうかわからないですから...

 「時間が限られているかもしれない」という不安感が、「このキャンセルが、一生のキャンセル」になってしまうかもしれないという予測にもなり、判断を難しくしています。

 

 クルーズ船に関しては特に、ダイヤモンドプリンセス号に対する非常に不味い対応が、痛いですね。

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 いくら、官邸やWHOが「適切な対応だった」と言い張っても、世界中の大半の人々は、「不適切な対応で数百人が感染したのだから対応は不適切だし、クルーズ船での新型肺炎は怖すぎる」と思うようになってしまったのだから、どうしようもありません。

 現状、この船が3600人のうち600人以上の感染者を出したというのは、人口約1100万人のうち約7万人が感染した発生源の武漢市と比較しても、極めて異常に高い割合で、こういう事態になった責任の一端は、船に閉じ込めるだけで、その後適切な対応が取れなかった部分にあるのは確実です。

 それに今回の新型ウィルスへの対応というのは、初めての事態なのだから、間違いがあっても恥じることはありません。

 一番問題なのは、その判断の過ちを間違いだと認めないことなのです。

 

 今更の結果論ですが、最適な対応は、これだけの人数を隔離させて2週間静置させる施設的な能力が無かったのだから、イタリアが同様のケースで巨大客船(コスタ・スメラルダ号)の乗客6000人の隔離は無理と、発熱のあった中国人2名の検査だけを実施してこの結果(陰性)を根拠として、下船させて帰国させたように、発熱等の症状が出ていない人は、速やかに下船・入国させて、外国人客は即帰国させ、日本人客は全員施設に隔離する措置を取れれば正解だったのでしょう。

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 それと日本が、ほぼ同時期に同様の事態が発生したイタリアと異なる対応を取ったのは、経済大国の見栄というもので、

  「これぐらいの人数でも十分適切に対応できるんだ」

と、実はあの時点では対応できない人数だったのに、虚勢を張らざるを得なかったことも、今回の世界的な大騒動になってしまった原因と見るべきでしょうね。

 

 武漢からのチャーター機での帰国者には、隔離措置を取り、感染者の拡大を防ぐことに成功したのですが、このチャーター機の人数を対応するので精いっぱいだったところに、同じタイミングでダイヤモンドプリンセス号の件が発生してしまったので、

  「大人数を隔離する施設のキャパが無いし、豪華客船でホテルと同じだから、そのまま2週間留め置いて様子見すれば大丈夫だろう」

という甘い見通しが、

       「乗客の大半が感染し重症化しやすい高齢者だらけの上、人口密度が極めて高く感染が広がりやすいという豪華客船の特徴」

に気づけなかったのです。

 でも、この当初の判断については感染力の強さが不明だったので、致し方ない訳です。

 

 しかし途中から、急激に感染者が増え始めて大騒ぎとなり、一部の国からは自国民の下船・入国許可を求められても拒否し続け、アメリカがチャーター機で自国民を引き取ると言い出すまで、新たな対応や他国への要請をすることすらせず、ただ検査対象を広げるだけで、事態が悪化するまま放置してしまったという部分の責任は、かなりあると思います。

 

 かわいそうなのは、末端の検査官や職員で、判断の甘さで感染が急拡大している非常に危険な状況の「汚染された船内」に赴かされ、無数の感染者から検体を取る作業を続けていたのですから...

 その結果、防護をしていても数名の方が感染してしまいました。

 本当に頭が下がる思いです。

 

 せめて、感染者が増え始めた時点で、乗客が多い国(アメリカ・オーストラリア・香港・カナダ等々)に対し、日本側から「このままだと感染者が急増する可能性が高いので、それぞれの国で速やかに引き取って欲しい」と依頼すれば、海外メディアからの批判も、これ程にはならなかったでしょうね。

 イギリス船籍で、アメリカ企業の運行船であり、基本的に船内には日本の施政権が及ばないのですから、外国人乗客については、それぞれの国が責任を持って対応するというのが、今回の非常事態に対して、公平で適切な対応だったのです。

 国のプライドが高すぎると、簡単に助けを求められないという考え方も残念ですね。

 

 今回のこの失敗は、日本が新型肺炎の感染地で、封じ込めに失敗したと世界中に猛アピールしてしまったのと一緒ですから、東京オリンピック期間を含めた長期間のインバウンド需要喪失という大きな痛手を受けることになるでしょう。

 そして今後、中国人だけではなく日本人も、特に外国発着のクルーズ船では偏見を受けることになるのは確実です。

 既にキュナード・ラインは、中国関連者の乗船拒否(これはクルーズ会社どこも同じです)という措置だけではなく

  「日本・韓国・台湾・シンガポール・マレーシア・タイ」の6か国の乗客

について、

  「乗船前に特別な検査を実施し、引っ掛かれば乗船を拒否します」

という、偏見が入ったようなガイダンスを発表しています。

 ですから今回、ダイヤモンドプリンセス号で、感染の拡大を抑えることが出来なかったことは、旅行好きの人たちにとっても、非常に残念な出来事だし、この件で中国人だけではなく日本人も、今後しばらくは諸外国で嫌な思いを味わうようなことが発生してしまうのでしょうね。