「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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WTI原油先物価格、史上初のマイナスに💦(やれらました...)

 

 昨日の午前中には、WTI価格が1バレル18ドル→14ドル台に急落し、その後15ドル台で推移していましたが...

 昨晩、日付が変わる前に10ドル割れとなり、明け方には一時、ー40ドル(マイナスですよ)を付けるという、記録的大暴落に...

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 WTIだけが歴史的大暴落となった理由ですが、これはアメリカの原油貯蔵施設が間もなく満杯になり、原油を買っても貯蔵できない(貯蔵場所を探し、輸送するだけでも、ものすごいコストが掛かる)という現実的な危機が、このようなパニック売りを呼んでしまったとのことです。

 北海ブレンドや、ドバイ原油といったWTI以外の他の原油も、下げてはいるものの、北海やドバイは、いざとなっても積み出し場所が港や海上なので、直ぐにタンカー等に貯蔵できるから、勿論こういう下げにはなっていません。

 

 WTIはウェスト・テキサス・インターミディエイトの略で、アメリカ南部産原油の総称ですが、原油価格の国際指標として、その重要性が認識され取引されています。

 日本の株式市場でも、WTI価格に連動した商品が上場していますね。

 

 今回は、WTI特有の事情が原因のイレギュラーなパニック売りが原因ですが、ただでさえコスト高(1バレル40~45ドルを切ると採算割れ)のアメリカのシェールオイル業者は、コロナ危機以降の原油急落で、破産の危機に陥っています。

 そのため、T大統領は口先介入と仲介を積極的に実施し、急遽開かれたOPECプラスで減産を決めましたが、肝心な最大の産油国アメリカが大幅減産しないことから、今回のような事態を招いたのでしょう。

 T大統領の、「他国に減産させ、自国はしない」という、「いいとこどり作戦」が裏目に出たということです。

 そして、マイナス価格という出来事により、シェール業者は直ぐにでも大幅減産しない限り、しばらくの間、原油価格20ドル割れが定着してしまい、近いうちに破産が相次ぐという事態に追い込まれそうな状況です。

 そうなると、一部で危惧されている、コロナ危機→金融危機への発展可能性も、かなり高まるかもしれません。

 

 元々、リーマン危機後に始まった緩和バブルによる世界的な超低金利政策の影響で、世界中借金まみれ(世界の債務残高はリーマン前の1.7倍)に陥っていたところに、今回のコロナ危機の発生で、更なる大規模金融緩和が行われ、債務も加速度的に増加していますから、何かのキッカケで一度金融危機に火が点くと、非常に大きな危機に陥ってしまう危険性があるのだということを、念頭に置く必要性があるでしょう。

 

 「あり得ないことが起きる可能性がある」ということは、2月からの「コロナ危機」や昨晩の「WTIショック」を見れば自明ですよね?

 原油価格がマイナスになるなんて、本来あり得ないことですが、一部で噂されていたとはいえ、今回現実に起きてしまったわけです。

 新たなブラックスワンの誕生という、歴史的な出来事の発生でした。

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 個人的にも、昨日株式市場に上場しているWTIの商品が急落していたので、「流石にこれ以上は下がらないだろう」と、初めて手を出してみましたが、NY市場が開いても下げ止まらずヤバそうなので、夜間市場で投げ売りしました。

 「詳しく知らないものには、安易に手を出すのは危ない」ということは重々承知していましたが、「1バレル10ドルは割れないだろう」と安易に考えて手を出してしまい、火傷という結果に...

 10ドルどころか、昨日の5月物の清算値は「マイナス37ドル」ですからね...

 こんなことあるんですね。

 WTIの株式市場上場ETFは、既に6月物に連動しているので、ゼロになるわけではありませんが、影響は大きいわけです。

 これも勉強代と思って、諦めるしかなさそうです。