「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

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今日は日経平均大暴騰に

 

 今日の日本株は、日経平均が暴騰しましたね。

 巷では、「日銀のETF買いの効果で買い戻された」というような記事が多いですが、現実は少し異なると思います。 

 では、今日なぜ、海外投機筋による先物空売りの買い戻しが大規模に発生したのかについて、分析してみましょう。

 

 まず、急騰の最大の理由は、日銀よりも、GPIFが17日から毎日数千億単位の現物買いを入れ続けている影響が大きいのです。

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 GPIFがこのような巨額買い入れをしている理由は、先日記事にしたとおり、株安で巨額の含み損が発生したことで、株の資産が大きく減少し、債券の割合が上がり過ぎたので、資産のリバランスの必要性が生じたからなのです。www.tabibitoshuu.work

 今回のGPIFのリバランスによって日本株は、最大で3兆円程度の買い需要発生となります。

    この買い需要は、株価が大きくリバウンドすると含み損が小さくなるので、急遽終了となる可能性もある流動的なものです。

 16日の日銀臨時会合で日銀ETF買いの増額に歩調を合わせて、先週の17日からGPIFは巨額買い入れを始めました。

 海外投機筋はこのGPIFの買いに対抗して、彼らが主に売買している日経平均先物の価格が上がらないように、日経平均寄与度の大きい銘柄(ファーストリテイリング・SBG・ファミリーマート東京エレクトロンファナック信越化学等)の個別銘柄に対し、集中的に売りを入れて、利確するまで先物が上がらないようにしました。

 ですから、SBGなどは、S&Pによる格付け格下げもあって、ビックリするくらい先週下げたのです。

 GPIFが先週の17日~19日に買い付けた銘柄は、トヨタソニー以外の、時価総額に比して日経平均寄与度が大きい銘柄は意図的に外して、それ以外の多くの銘柄をリバランスで決めた予定の金額まで、株価に関係なく一気に買い付けを行ったとみられます。

 ただし、今回は株価底入れを演出するため、少々高値掴みになっても構わないという強引な買い入れ方で実施したので、普段売買代金の少ない電鉄株や公益株は、日銀ETF買いの影響や個人の権利取りの買いをも巻き込んで、とんでもない上昇を見せた銘柄が、かなり出てしまいました。

 このため、日経平均が下がっているのに、TOPIXが上がるといういびつな状況が3日間続いたのです。

 

 今週に入ると、GPIFのリバランス買いはいよいよ、普段の売買代金が大きい、日経平均寄与度の大きい銘柄群に回ってきました。

 ちょうど、このタイミングで昨日、オリンピックの延期が事実上決まったので、オリンピックの行方が決まったら日本株先物空売りを買い戻すと公言していた所謂「オリンピック売り」を仕掛けていた幾つかの海外投機筋が、空売りの買い戻しを始めました。

 ちょうど、新型肺炎の悪い話題のピークも徐々に近づいてきており、アメリカ株も下げ幅が小さくなってきましたし、今月末に発生する短期的な日本株特有の買い需要を考えると、これ以上225先物を下げるのは無理だと、一旦利確方針に転換したという状況なのです。

    FRBが無制限緩和に打って出たことも大きいですし、そろそろアメリカの超大型予算も纏まりそうですので、世界的な売り疲れもあって一旦リバウンドへという感じが強くなってきました。

 ですから、先週、先物価格を維持して利確するため、日経平均寄与度の大きい個別銘柄に、浴びせ売りが入って膨らんでいた空売りの買い戻しとGPIFの現物買いが重なって、東京エレクトロンファナック、FR等が今日、暴騰し、日経平均も7%高と暴騰したのです。

(その代わり、先週先行して上げた反動もあってTOPIXは3%高止まりでした)

 225先物とは無関係で株価も高めの、キーエンス・OLC・日本電産ソフトバンク等が、これ程の上昇でも全く上がらなかったことに、今日はあくまで海外空売り筋の先物買い戻しによる急騰だったということがよく表れていました。

 

 また3日後には3月決算銘柄の権利取り最終日も迫っており、3月期末の権利落ち日前後には、日銀の保有する巨額のETFが起因の「配当落ち分再投資(7~8000億円)」という買い需要発生への警戒感や個人の権利取りの買いも重なったことも、本日の1200円高の発生へと繋がりました。

 おそらくGPIFは、NASDAQ市場だけ上昇したりしていることから、既にアメリカ株買いも仕掛けていると思います。

 もし、ダウの急騰があれば、それはGPIFの買いが重なることで発生するのですが、アメリカ株の売買代金は日本よりもはるかに大きいですし、ダウは30社しかないので、いくらGPIFとはいえ、2日間も買えば終わってしまうでしょう。

 

 先週からの下げ止まりや今日の暴騰は、このような理由から発生したもので、「オリンピック・GPIF・日銀・個人投資家権利取り」という日本株特有の買い需給も重なり、先週17日から官系による株買い捲りでの下げ止まり演出から、リバウンドによる大幅高発生という流れなのです。

 ただ、4月に入ると日銀買い以外の買い需要が一気に剥落するので、世界の株価がその時どうなっているのか次第では、二番底に向かって再び下げるのか、それとも徐々にリバウンドモードに入っていくのかが決まると思います。

   また今、日本はオリンピックの延期問題一辺倒報道のせいで、新型肺炎の感染拡大がまるで終わってしまったような雰囲気になっていますが、入国制限で欧米から帰って来た多くの日本人の中には、無症状や軽症の感染者が相当数おり、国内での新規感染者がかなり増え始めていますが、この急拡大も予想されるので、そこを注意しながら、感染の拡大に目処が付いた後の株価の急上昇は、是非取りたいですよね😁

 

 個人的に今日は、前日のNY株の下げが小さかったことで、ある程度の急騰を予想して、寄付き前に気配がそれほど上がっていない銘柄を大きく買ったのですが、この最初に買った銘柄が、今日ほとんど上がらなかった数少ない銘柄の一つという運の無さで、完全にハズレを引いてしまい、思わぬ損切りをしたことで、その後別の銘柄である程度取り返すも小負けで終わるという酷い結果で終わりました😞