「旅人:シュウ」の旅blog(&セミリタイア後の投資生活)

旅の資金は、投資利益で捻出しています。セミリタイア家計簿も。

2020年4月第2週の相場と成績(緊急事態宣言とSQの週)

 

今週の日本株

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 6日(月)

 緊急事態宣言の発令が出されるとの情報で、悪材料出尽くしムードとなり、NY株先物が大幅高だったことも重なって、先物空売りが買い戻され、大幅高で終了。

 7日(火)

 NY株が1600ドル高の大幅高だったことで、続伸して始まるも、日本の経済対策が見た目は大きいものの、真水部分がかなり小さいことが明らかとなり、小幅高で終了。

 8日(水)

 前夜のNY株が一時の大幅高から小幅安で終わったことから、小安く始まるも、緊急事態宣言で休業が要請される業種が、東京都と国が対立し、大幅に縮小となりそうなことから、前日まで東京都発表に基づいて売り込まれていた銘柄の買い戻しや今週金曜日のミニSQ絡みの買いも膨らみ、大幅高で終了。

 9日(木)

 昨日の大引け直後に、日経225先物が急落した(原因不明)影響が大きく、NY株はサンダース氏撤退を受けて大幅高だったものの、小幅安スタート。後場日銀買いが入るも、SQ絡みの思惑売買の影響で、一時は大きく下げたが、大引け際に買い戻され、横ばいで終了。

10日(金)

 NY株が、FRBの金融緩和拡大の発表で一時大幅高となるも、OPECプラスで、原油の減産が決まり、材料出尽くしの売りが膨らんで小幅高で終了したことや、前日の引け際の急速な切り返しの値動きから、SQ値は前日比小幅高で決まるも、前場は徐々に弱含んで小幅安で終了。

 後場は日銀の買いに対し、本日海外市場の大半が休みで、海外投資家が不在なことから、後場の売買代金が非常に少なく、官製買いで歪んでいる東京市場の現状がモロに出る形となり、小幅高で終了。 

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歪んだ日本の株価の象徴であるファーストリテイリング

(最近SQの日に、ファーストリテイリング株が異様な値動きをするのは、先物絡みで、いつものことですが、今日は一段と酷かったですね。またファーストリテイリングの決算発表は、いつもSQ前日の引け後なので、翌日の株価は決算の内容ではなく、SQとそれに絡んだ先物の思惑で乱高下することが多いのです。) 

   

 今週は、週初に緊急事態宣言があって、悪材料出尽くしの流れが発生したことに加えて、週末の金曜日にはミニSQがあったことで、今まで売られ過ぎだった一部業種の銘柄が、SQ絡みの現物買いが重なって、強烈に買い戻されたこと、更には、週間を通してアメリカ株がほぼ上がりっぱなしだったこともあり、堅調な一週間でした。

 ただ、日本の感染者数は増加の一途で状況は非常に悪く、アメリカ株は楽観的な予測にばかり反応して株価の戻り過ぎが早すぎる感じもします。

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生産ストップとなった「コロナビール」のロゴ

 欧州諸国では、極端な移動制限に対し人々の不満がかなり溜まっている上、経済的にもかなり厳しいですし、アメリカも大統領選があり、景気悪化に対する大統領の焦りから、5月に入る前頃には、見切り発車で制限解除が次々に行われていくでしょう。

 そして、この新型肺炎の「潜伏期間が長い」という特徴から、解除を見切り発車しても、当初は感染拡大が収まっていくように見えるので、株価はだいぶ戻ると思います。

 ところが、1か月くらい経った6月になると、再び感染が広がってしまうという悪いシナリオとなる可能性が、かなり高いのではないでしょうか?

 

 まさに、このような状況に陥った典型例が日本であり、

   1月末~感染者が複数出た→追跡して封じ込め2月中旬にゼロの日が続く

 2月の半ばころには、感染者ゼロが続いたことで「花粉症でマスクをしている人が多い日本で、感染は拡大しない」という楽観論を展開する論者が多く居ました。

 ところが、大半の人々がこの状況に油断していたら

   2月下旬~感染者が増え始め→2月末に「休校と自粛要請」

という情勢になりました。

 すると自粛効果で、3月上・中旬の感染者増加が緩やかになったので、沈静化へ向かうと判断してしまい、

   3月中旬の専門家会議で「学校再開」等へと緩んだ→感染が大きく広がる

という状況に悪化。

 このように、新型肺炎の潜伏期間の長さと感染力の強さが、原因で

   「感染拡大と一定の抑止」

の繰り返しとなってしまっているのです。

 ですから最終的には、有効な薬が開発されるまでは、新型肺炎と上手く付き合う方法を見出し、

   「出来るだけ人と人の接触を避けながら、経済活動も行っていく」

しかないのだと思います。

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 現在のところ、日本の感染状況は、基本的に保健所を通して実施するというPCR検査体制のせいで、人的にパンクしかけていて、PCR検査待ちの長蛇の列となってしまっていることや、パンクしかけているのに「当初からの検査数抑制体質」が継続されていることから、いま発表されている感染者数約5500人は、感染実態の半分も反映出来ていないでしょう。

 それは、現在毎日報道されている感染者の職種をみれば明らかで、医師や看護師といった、無症状・未把握の感染者と接触する機会が相当多い業種の方だけではなく、警察官や役所の職員等の、不特定の人達と接触する頻度がそれなりに高い、身近な業種の人達から、会社役員や消防士等の不特定者と接触機会の少ない業種の方々にまで、大きく広がってきています。

 ですから、今までに、未把握のまま治癒してしまった軽症者・無症状者を含めた累計での日本国内の感染者数の実態は、

   最低でも1万人、多ければ3万人以上

と推測され、都市部を中心に全国規模で相当に感染が進んでいる状況なのだと思います。  

 

 株の話に戻ります。

 今週の個人的な成績ですが、先週持越し分については

 4月3日(金)

  買い持越し:ダイセキ

  空売持越し:無し

でした。

 4月6日(月)

  利確:日本製鉄・ダイセキ

  損切:リコー・JFE

  デイ買い:リコー・日本製鉄・JFE

  買い持越し:JFE・イオンFS・オリックス・三井住友FS

  空売持越し:無し

 4月7日(火)

  利確:JFE・イオンFS・オリックス・三井住友FS

  損切:コシダカ

  デイ買い:コシダカ

  買い持越し:無し

  空売持越し:無し

 4月8日(水)

  利確:JFE

  損切:リコー・住友化学・日本製鉄・コニカ

  デイ買い:日本製鉄・JFE・住友化学コニカ・リコー

  買い持越し:住友化学コニカミニストップ・GAMEWITH・リソー教育

  空売持越し:無し

 4月9日(木)

  利確:住友化学コニカリソー教育・USMH

  損切:ミニストップ・GAMEWITH・日本製鉄・リコー

  デイ買い:日本製鉄・リコー・USMH

  買い持越し:ワッツ・C&R・Mr.MAX

  空売持越し:無し

 4月10日(金)

  利確:C&R・Mr.MAX・トヨタ・JFE・コニカ

  損切:ワッツ

  デイ買い:トヨタ・JFE・コニカ

  買い持越し:キリン堂・ホギメディ・パイプドHD・オンワード

  空売持越し:無し

株主優待用の長期保有へ:火曜日・日本スキー場開発・金曜日・ビックカメラ

 

 今週は、月曜日のオリックスの仕込みが上手くいって、火曜日に利確出来たことでプラスでした。

 また、木曜日に少しだけ買ったC&Rは、決算まずまず+自社株買いで、金曜日にストップ高を付けたので、この利益も大きかったです。

 それ以外は、勝ったり負けたりで、あまり冴えない取引の繰り返しで終わりました。

 特に金曜日は、日銀買いでの後場切り返しを予想し、前場で仕込んだのですが、利確のタイミングがイマイチで、それほど利益が出ませんでした。

 

 欧米ではコロナの拡大がピークを打ちつつあるということで、株価の戻りが続いていますが、日本では、予断を許さない状況なので、なかなか判断が難しいですね。

 特に、いち早く制限解除に至った中国で再度感染が広がるのか、それに注目しながらの取引がしばらく続きそうです。

 

 

投資生活を振り返ると…その3(2005年、村上ファンド・ライブドアの躍進【個人的に最大の大負けを食らった年】)

 

 いよいよ緊急事態宣言が出されましたが、都以外の知事は当面の間、各企業や施設に対し、これといった要請や命令を出さないことに決まりました。

 これは、この宣言自体に政治的な思惑が強く絡まっており、景気への悪影響しか考えない「経済最優先」官邸の思惑が強く出たことで、実質的には自粛要請の延長に過ぎなく、「骨抜き宣言」の中身になってしまうのでしょう。

 期間は5月6日までですが、ちょうど後半はGW期間ですので、人々がGW期間中に入るとどう動くのか、「緊急事態宣言」を無視して旅行等に出かける人が大勢出るのか、そこに興味があります。

 

 それでは、前回の続きを書こうと思います。

 2005年は、村上ファンドライブドアの躍進が顕著な年でした。

 この頃、相場の世界における時代の寵児の一人は「村上世彰氏」でしょう。

 1999年、元通産省の高級官僚から転身した村上氏は富裕層向けの通称「村上ファンド」を設立。

 小学生時代から、株取引をしていたという村上氏。

 このファンドは欧米のファンドと同様、「物言うファンド」というスタイルを取り、日本独特のなれ合いや根回しと言った世界とは一線を画した運用方針がなされたことで、非常に大きなリターンを上げました。

 元日銀総裁も、村上ファンドで運用していたことがバレて、一定の批判を浴びたというほどの存在感のあるハゲタカファンドでした。

 その後、同ファンドは解散しましたが、関係者が新しいファンドを立ち上げ続いているので、現在の日本の株式市場でも、大きな話題を提供し続ける存在になっています。

 

 最初に表舞台に登場したのは2000年、昭栄という東証2部上場の老舗企業(生糸メーカーで、生糸産業衰退後は実質不動産業。2012年現在のヒューリックと合併)に対する敵対的TOB

 業績が低迷していて、株価は安値で放置されているものの、金はタンマリ貯め込んでいる無名の企業に着目し、徐々に買い占めて大株主になった後に、経営改革や株主還元を迫って値上がり益や配当益を得るという、それまでの日本では見ることの無かった投資スタイルを示したことが大きな話題になりました。

 

 昭栄に対する敵対的TOBは、昭栄が芙蓉グループの企業であったこと等から、失敗に終わったものの、株価は大きく値上がりし、十分なリターンを得た村上ファンドは、その後、同様の銘柄を物色し、特に2002年の東京スタイル騒動で、更に一躍名を上げました。

 筆頭株主村上ファンドに経営改革と株主還元を迫られた、当時1200億円以上の利益剰余金を抱え込んでいた東京スタイル(現在は同業のサンエー・インターナショナルと合併し、TSIHD)。

 勿論ひと悶着ありましたが、最終的には、大規模な自社株買いや大幅増配をする形となって、株価も高騰し、村上ファンドはここでも、大きな利益を得ることに成功したのです。

 

 その次は、ニッポン放送株の買い占めです。

 会社設立の経緯から、形式上ニッポン放送がフジTVの親会社となっており、これはそのまま放置されていたのですが、時価総額の小さい企業がより大きい企業の筆頭株主となっていて、双方とも上場企業であるという「資本のねじれ」に注目した村上ファンドは、2003年ごろからニッポン放送株を買い始め、筆頭株主となります。

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 また、創業者一族の鹿内家の影響力を排除したいということで、ニッポン放送が1996年に上場したという経緯があったのですが、2005年1月、鹿内家ニッポン放送株を手放したことを知り、この大量の株の行方に不安を感じたフジTVは、村上ファンド側からのTOB提案を飲んで、ニッポン放送株にTOBを掛けることになったのです。

 この件は、これでオシマイのはずで、村上ファンドはまた大きな利益を得ることに成功したという結果で終わるはずだったのですが...

 

 ここで登場するのが、堀江貴文氏率いるライブドア

 ライブドアは、村上ファンドの買い占めでニッポン放送株が市場の話題になっていたことから、事前に少しずつ買い付けていたようですが、2月8日のTOSNETの時間外取引で、TOB絡みで大口から大量の売り注文が溜まっていたニッポン放送株を全て買い付け、一気に筆頭株主に躍り出ます。

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 これには、フジTVも村上ファンドもビックリ。

 そして、ライブドアは「ネット(通信)とメディア(放送)の融合」を掲げて、フジTVにライブドアとの全面的な業務提携を迫ります。

 

 当然のことながら、フジTVはライブドア側の提案を拒否し、巨額の新株予約権の発行やTOBの成立条件の引き下げ等を実施しますが、ライブドア側も新株予約権発行の差し止め請求を行い、これが裁判所に認められ、フジTVはライブドアによるニッポン放送株の大量取得阻止に行き詰まります。

 その間にライブドアニッポン放送株を買い続け、ついにその議決権ベースでの所有割合は49%台に上昇。

 勿論、この大騒動で、ニッポン放送株は大暴騰しました。

 このため、水面下では、この騒動に乗じて一儲けしようという第三者も沢山参戦し、色々な打開策が検討された結果、ニッポン放送が持つフジTV株全てがSBI系列に貸し株に出されることとなり、一転膠着状態に。

 そのため、ライブドアとフジTVとの直接の和解交渉が続けられた結果、業務提携とニッポン放送株の全株買い取り、ライブドアへの出資が決まり、ライブドアは巨額の利益(1400億円前後と言われています)を分捕ることに成功したのです。

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満面の笑みの堀江氏と偽りの笑顔のフジTV・ニッポン放送の社長

 しかし、この大騒動が、フジTVグループの裏で跋扈していて、戦前から大きな力を持つ、超保守思想の勢力から、大きな恨みと危機感を買うことになり、「堀江を潰せ」という行動に出てこられるキッカケとなってしまいました。

 そして、この勢力が持つ巨大な政治力が働いた結果から、最終的にライブドアに対する検察の捜査が入り、企業Gとして消滅してしまう事態にまでなるとは、ライブドア側も全く考えてもいなかったことでしょう。

 この件は、次の記事で書きますが、日本の伝統である「出る杭は打たれる」の典型的な事例となってしまったのです。

 

 また、時価総額の小さい企業がより大きい企業の親会社であるという、ねじれ上場の企業群(例としてOLCと京成電鉄等)は、この騒動を機会に買収防衛策を導入するところが増えました。

 

 話は村上ファンドに戻ります。

 村上ファンドは、ライブドアの突然参戦のお蔭もあって、急騰したニッポン放送株で、予想を超える利益を手にします。

 本来は1株5950円でニッポン放送株をフジTVに売りつけてオシマイだった筈でしたからね。

 そこで、ライブドアとフジTVの全面戦争を横目に、ニッポン放送株を売却して、次のターゲットへ向かいます。

 それが、阪神電鉄株。

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 既に上場廃止になった阪神電鉄株ですが、阪神タイガースが上位争いすると、少し株価が動意づくものの、それ以外では極めて値動きの少ない株であり、安定した好業績だが、営業距離も短く、傘下に阪神百貨店阪神タイガースを持つ以外、大きな子会社も無く、注目を浴びることなくて放置されている株でした。

 この株が2005年9月から、急に上がり始め、当初は「阪神タイガースが好調だからだ」等と言われていましたが、「仕手筋が入ったのでは?」等とも言われるほど、おかしな上昇が続きました。

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 この時代までは日本市場でも、何らかの材料をキッカケとして、普段は閑散としている特定の銘柄(大概は小型銘柄や業績不振企業が対象)を無理矢理大きく上昇させ、その上昇に群がる個人投資家を操りながら、より大きな上昇を作り、利益を取るという、「仕手筋」と言われる人たちが居たのです。

 井筒屋、ルック、第一家電、鬼怒川ゴム、東日G等、多くの銘柄が仕手筋によって、株価が大きく吊り上げられ、その上昇に個人が群がり、時にはトンデモナイ株価にまで上がることもありました。

 今では、風説の流布とかインサイダー取引だということで、仕手筋の人たちは摘発されたので、仕手筋による吊り上げというのは見かけなくなりましたが。

 

 ただ、阪神電鉄株は、こういう仕手筋が手を出すには無理のある、規模の大きな会社の株であるので、「一体誰が買い上げているのか?」と市場では大きな話題になっていました。

 その結果は、9月27日の大量保有報告書で明らかになりました。

 それは、村上ファンド阪神電鉄株26.67%、阪神百貨店株18.19%の保有に成功し、村上ファンド阪神電鉄株に対し、何らかの目的で買い占めを行っている事実が判明したのです。

 表向きは、阪神電鉄保有する不動産の含み益が大きいことに注目したということでしたが、それだけが理由ではなく、

 〇償還間近のCBがあって、株式に転換することで大量の株を取得出来ること

 〇10月1日付で上場廃止となる阪神百貨店株(阪神百貨店株1株に対し阪神電鉄株1.8株の割当てでの完全子会社化だった)をも取得すれば、より大量取得できる

 〇かつて、京阪電鉄阪神電鉄が統合を目指したことがあった

という状況があったからこそ、阪神電鉄株を狙ったのでしょう。

 ただ、阪神電鉄は巨額の利益剰余金を抱えているわけでは無く、高配当や自社株買いをさせることで株価を吊り上げるという、今までの村上ファンドのやり方では、買い占めた株を高値で売り抜けるのは無理なので、

  「一体どうするための買い占めなのか?」

という状況になり、その後膠着状態に陥りました。

 マスコミのインタビューに対し、村上代表は、「阪神タイガースを上場させる、不動産の売却を進めさせる」等と言うものの、タイガースの上場はファンからの反発が非常に大きく、反村上運動が起きる事態になってしまいました。

 また、簿価の低い不動産の売却と言っても、大半は鉄道用地なので、具体性に乏しく、本来350円~450円程度の価値しかない株を1200円の高値まで吊り上げた後のビジョンが見えてこないことから、その後動きが止まったのです。

 実は裏で、京阪電鉄に取得した阪神電鉄株を売りつけようとしていたのですが、大手私鉄とはいえ、京阪電鉄の資金力では、村上ファンドの求める価格での株の買い取りが出来ないので、交渉は暗礁に乗り上げたのです。

 結局、2005年内は、このまま大きな動きが無く終わりました。

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 この阪神電鉄株の急騰では、個人的に非常に痛い目に遭いましたので、よく覚えています。

 サラリーマン投資家として、ITバブル期に投資を始めたのですが、ITバブル崩壊で約500万→→約70万にまで減らしてしまった資産でしたが、2003年から復活し、約2年半経ったこの頃には、約900万まで増やすことに成功していて、あと数十万円で4桁突入というところにまで来ていました。

 この時の阪神電鉄株が、何の材料もないのに、あまりにも異常に上がるので、「もう下がるだろう」と、ある程度上がったところ(確か600円台後半)から空売り参戦したものの、更に上がり続けてしまい、撤退のタイミングを失って、大規模なナンピンをし続けた結果、非常に大きなポジションを抱えてしまい、窮地に陥ってしまったのです。

 この時、初めて追証信用取引で損失が膨らむと担保金を入れるか、損切しなければならない)というものも食らい、兎に角有り金全部を、証券会社の証拠金に入れて耐える方針としましたが、最終的には破産も覚悟しました。

 結果的には、あと少しで損失が証拠金を上回りマイナスというところまで行ったものの、そこで株価が一旦急落したので、ここで全部の空売りポジション解除を決めて、損切りしました。

 この時の負けが、今までの投資家人生で、1回の取引で最も大きな損失(約600万)です。

 (今後、これを超える負けもあるかもしれないので、今のところです)

 いやあ、本当に厳しかったです。

 頑張って増やしてきたものを、だいぶ減らしてしまい、本当に大ショックでしたが、でも懲りずに、当時、とある銘柄(もう上場廃止となっています)で、信用取引の買い大勝負に出ました。

 結果的には、相場環境も良かったので、非常に上手くいき、約2か月後には阪神電鉄株の負けを全て取り返して、資産も初めて4桁に乗せることが出来たことから、今でも退場せずにこの株の世界に居続けることが出来ています。

 ただあの時損切せずに、阪神電鉄株の空売りで粘っていたら、間違いなく破産していたでしょうから、その場合は、以後投資は止めていたでしょう。

 当時はサラリーマンでしたから、仕事の合間を見ての取引で、撤退のタイミングを失ったのが大負けの原因ですが、リスクを取り過ぎるのは、止めた方が良いという勉強になりました。

 

 今回はここ迄で筆を置きます。

 

 

 

投資生活を振り返ると…・その2(2004年UFJ銀の消滅・プロ野球再編騒動等)

 

 ようやく、政府が重い腰を上げて緊急事態宣言をするようですね。

 検査を選別していても、この数字なのですし、感染者もごく身近な職業の人にまで及んでいるのですから、実際の感染者数は、報道されている数字よりもはるかに多く、実態はかなり酷いのでしょう。

 大都市部では、「多くの家の玄関先にまでウィルスが既に来ている」という状況と見るべきでしょうね。

 ただ、日本株については、この宣言をすることで、一旦悪材料出尽くし的な動きになると思います。

(今日はアメリカの感染者数に鈍化の兆候が見られ、世界同時株高の雰囲気が出てきたことも相乗して、引けにかけて大幅高でした)

 

 それでは、先日の記事↓↓↓の続きを書こうと思います。 

www.tabibitoshuu.work

 前回は、りそな銀行の実質国有化までを書きましたので、その続きです。

 

 りそな銀の抜本処理で、ようやくバブル崩壊以後続いた過剰債務と不良債権の発生にも終わりが見えてきました。

 最終的に多くの都市銀が合併し、プレイヤーの数が減少したことで、過剰競争が収まった上、不良債権処理もだいぶ進んだことで、収益力回復への期待から各銀行の株価は大きく上がっていきました。

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 ところが、バブルの不良債権の最終的な処理には、もう一つ大きなものが残っている事実が判明したのです。


 それは、UFJHDが隠していた巨額不良債権です。

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 UFJ銀行(UFJHD)は、ITバブル崩壊後の金融危機時に、他行同様大同団結が行われて誕生した銀行で、三和銀行東海銀行東洋信託銀行が合併したものです。
 三和銀行は、江戸時代の両替商「鴻池家」の銀行を母体に、戦前に他の地方銀行と合併してできたという経緯の銀行で、バブル期まで都市銀トップクラスの収益力を誇っていました。

 また、東海銀行は東海地方最大の都市銀で、トヨタ系を始め、中京圏の優良顧客が多いという銀行でした。

 比較的優良行同士の合併でしたので、当初、他の問題行に比べて泥沼の不良債権があるとは思われていませんでした。
 ところが実は、旧三和銀行の巨額融資先が、ダイエーニチメン日商岩井日本信販アプラス大京等、バブル崩壊後業績が低迷している上に、過剰債務を抱える問題企業だらけ(東海銀もダイエートーメン・フジタ等の問題企業の不良債権を抱えていた)で、不良債権が膨らむ一方だったのです。

 特にダイエーへの融資は、東海銀行もメインバンクの一つであったこともあり、合併したことにより、1兆円を超える貸出額で突出してしまい、経営不振の続くダイエーを丸抱えする状況に陥ったことも、危機に拍車を掛けました。
 また長年、派閥抗争が激しい行風の影響もあり、合併した東海銀系を冷遇したことで、優良顧客のトヨタ系の融資を他行に取られる等、合併後、東海地区での地盤沈下も著しくなったのです。

 そして、最大の問題は金融当局と激しく対立してしまったこと。

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 その結果、2003年10月に金融庁から特別検査を食らってしまい、これは極めて厳しい検査で、今まで正常や要注意で処理し、隠していた巨額の不良債権に厳しい評価がなされ、抜本処理を求められてしまったのです。

 そのため、不良債権処理で巨額赤字を計上せざるをえなくなり、自己資本が国際行基準の8%を割り込むことが確実となったことから、経営陣は責任を取って退陣しました。

 資本不足になることから、それを補う為、旧東洋信託銀が母体のUFJ信託銀を住友信託銀に3000億円で売却する契約を結びました。

 しかし、売却発表直後に、ダイエー双日ニチメン日商岩井が合併してできた商社)向けの不良債権処理額があまりにも大きく、売却の3000億円を算入しても自己資本8%を割り込むことが確実となって、再び株価は急落。

 経営危機に陥ります。

 

 ここで登場するのが東京三菱銀行三菱東京フィナンシャルグループ・MTFG)です。

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 東京三菱銀は、三菱銀行東京銀行というバブルの痛手が少ない超優良行同士が合併して出来た銀行でしたが、ITバブル崩壊後の都市銀合併の流れでは、三菱信託銀行と合併しただけに留まり、再編の流れの蚊帳の外でした。

 その結果、みずほ・三井住友という、二つのメガバンクが誕生したことで、業界首位から転落してしまい、危機感を抱いていました。

 そういう状況時に、UFJ不良債権で危機に陥ったことから、「最後の大物「UFJ銀」を吸収してトップを取り返そう」と、虎視眈々と狙っていたものだと思われます。

 元々、三和は関西、東海は中京地区が地盤なので、首都圏中心の東京三菱とは地盤が重なっておらず、統合すればかなりのメリットがありましたからね。

 UFJHDが、UFJ信託の売却という苦境に陥った状況を見て、「ここが最大最後のチャンス」と、水面下で全面的な経営統合と巨額の資本注入を申し入れ、UFJ側と合意に至ります。

 ただ、この合意に基づきUFJ側が一方的にUFJ信託の売却契約を破棄したことで、住友信託と裁判沙汰に。

 更に、住友信託との交渉がこじれた様子を見た三井住友フィナンシャルグループから、UFJHDに対し、MTFGより好条件の「対等合併」の申し入れがなされる等、「UFJ争奪戦」は、目まぐるしく事態が変化しました。

 そのため、MTFG側は、「三井住友にUFJを取られてはならぬ」と、一気に交渉を進めて、当初のUFJHDに対する資本注入をUFJ銀行に対する資本注入に改めた上、それも前倒しで実行し、更に万が一に備えて注入した優先株に議決権が発生するよう縛りを入れる等、三井住友にUFJを取られないような種々の工夫したことで、MTFGとUFJHDの合併への流れは決定的となったことで、三井住友側は諦めることとなり、最終的に2006年1月にUFJHDは吸収合併されました。

 よって、経営統合で設立されてから4年もしないという超短命のうちに、UFJは消滅したのです。

 これにより、現在に続くメガバンク3行体制が確立されることに。

 

 今では、考えられないことですが、この頃までの銀行株は、金融不安や経営統合話等で株価が激しく乱高下し、短期間で数倍や数分の1の株価になることが日常茶飯事でした。

 ですから、個人的にもかなりの頻度で銀行株を売買していた記憶があります。

 でも、具体的な取引内容は覚えていないことから、勝ったり負けたりの繰り返しで、あまり利益は取れなかったのだと思います。

 

 このように、日本においてはバブル崩壊後長く続いた金融危機やバブルの後処理が収束していく中、中国を始めとする、新興国の経済発展が目覚ましいものになっていました。

 そして、BRICSブームが起きたことで、日本の重厚長大企業にもその恩恵が訪れました。

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 もう終わった産業だと言われていた重厚長大産業の鉄鋼・海運といった企業が、BRICSを始めとする新興国の経済発展の恩恵で、軒並み空前の利益を上げる状況となり、株価も大きく上昇。
 
 海運3社(日本郵船商船三井川崎汽船)の株価は、BRICSブームが去った現在、再び低迷していますが、2007年に高値をつけた商船三井の株価は当時2000円(株式を10→1併合したため、現在の株価で20000円)を超えました。
 鉄鋼だと、新日鉄の株価、2007年の高値で960円台(株式を10→1併合したため、現在の株価だと9600円)を付ける等、いまでは信じられないほどの株価にまで上がったのです。

 個人的にもこの頃は、しょちゅう鉄鋼株や海運株を取引していました。

 

 ITバブル崩壊で、株価が暴落して退場したIT関連・ネット企業が続出しましたが、その中で成長し続けている企業の株価が、再び大きく上がって復活してきたことも特徴でした。

 ソフトバンク(SBG)は、ITバブル時の株価があまりにも高かったので、2020年現在でも2000年の高値を抜くことは出来ていませんが、楽天などは、ITバブル崩壊後も成長が続いたことで、2005年にITバブル時の高値を上回りました。

 

 そして、この時一番目立ったのが「ライブドア(オンザエッヂ)」です。

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 この写真は、現在も旅人が保有している、今は亡き「二代目ライブドア」の遺物を撮影したものです(笑)

 オンザエッヂとは、あの堀江貴文氏が創業したネット企業。

 倒産した(初代)ライブドアのネット部門や名称を譲り受け、企業名もオンザエッヂ→ライブドアに変更し、その後、業績拡大と株高をテコに多くの企業を買収して時価総額を増大させ、新興企業の旗手として、楽天と覇を競っていました。

ソフトバンクGは、バブル期前創業の企業ですから新興企業ではありませんし、規模も別格)

 

 この両社の覇を競う状況の典型例が、2004年のプロ野球再編問題発生の時ではないでしょうか?

 プロ野球近鉄球団が経営不振の為、オリックスと合併する事態になった時に、積極的に手を挙げたのが、楽天の三木谷氏とライブドアの堀江氏。

 堀江氏は当初、近鉄球団買収も提案したものの、結局近鉄側が拒否しました。

 オーナー連中からしたら、「外野からとやかく言われる筋合いは無い、もう決めたことだ」という理論だったのでしょうが、この理論は選手やファンを無視した経営者の傲慢さを露呈したものと言えました。

 そのため選手やファンの間でも、「せっかく慢性赤字球団を引き取ると言ってくれる人が出ているのに、それを黙殺するのは酷い」と、1球団減ることに対する不安と反発が大きかったことから、選手会によるプロ野球で初のストライキが発生する等、世論も喧々諤々の大論争となり、プロ野球界も大混乱に陥りましたが、5球団では、シーズンが回せないため、新設球団の参加が認められることになりました。

(この騒動自体は、パ・リーグをもう1球団減らして4球団に再編した後、セ・リーグと合併して1リーグ10球団とする構想だったと言われています。また、もっと再編して8球団にする構想もあったと言われています)

 

 そこで、最終的に決定した新球団創設に手を挙げたのは、楽天ライブドア

 ただ、この頃のライブドアは、堀江氏の言動で色々と世間を騒がせていましたから、プロ野球のオーナー達からみれば、眉を顰めるような言動が多い堀江氏よりも、日本興業銀行出身の三木谷氏の方が好ましく見えるのは当然のことでしたので、オーナー会議ではあっさりと三木谷氏の提案が選ばれ、東北楽天ゴールデンイーグルスが創設されることになりました。

 この年には他にも、経営不振のダイエー再建のために、ダイエーホークスが、球場やホテル、その他付属施設と共にソフトバンクに売却される等、本当にプロ野球界は大激動の年でした。

  

 そして、2006年1月に、衝撃的な出来事が起こりました。

 それは、堀江氏等の突然の逮捕とライブドアショックの発生です。

 

 その前年である、2005年の大きな出来事(ライブドアによるニッポン放送株買い占めや村上ファンドによる阪神電鉄株買い占め騒動)等と共に、この続きは次の記事で書くことにします。

 

 

 

 

 

2020年3月第5週&4月第1週の相場と成績(今週の話題)

 

今週の日本株

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30日(月)

 27日の大引けに、巨額の配当落ち分再投資買いが入って急騰したことから、権利落ち日のため、急落して始まるも、この日の大引けにも巨額の配当落ち分再投資買いが入ったことから、大きく戻して終了。

31日(火)

 小幅高で始まり、この日が日本株特有の年度末であることから、ドレッシング買いが意識され、終始小高いまま終了。

4月1日(水)

 NY株が大幅安だったことや、3月末の特殊な買い需要が完全に剥げたこと、更には日本国内の新型肺炎感染拡大が止まらないことから、後場日銀買いが入るも、逆に売りが急増し、大引けにかけて急落して終了。

2日(木)

 NY株は小幅安止まりだったものの、前日に引き続き日本株への売りが止まらず、後場日銀買いが入ったことで、逆に売りが膨らみ、この日も下げて終了。

3日(金)

 NY株が、アメリカ大統領の言動により原油価格が急騰したことで小幅高だったことから、小幅高で始まるも、週末であることから、徐々に売りが増え、後場は小幅安で推移。大引け前に、「一世帯当たり30万円の給付で決定(給付限定条件あり)」との情報が出たことが買い戻しを誘発し、前日比横ばいで終了。 

  

 

 GPIFの買いが剥げたことや、日本で新型肺炎の感染が急拡大したことで、終始軟調な一週間でした。

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 最終的にGPIFの前四半期の含み損は約17兆円だったようです。

 3か月間でこの損失額は、GPIFの創設以来、最大です。

 また同じく政府系ファンド(SWF)で世界最大のノルウェー政府年金運営基金は、12兆円の損失を出したと発表しました。

 相場の情勢的には、先週、日本株で発生した巨額の買い需要に対し、海外投機筋は新たに巨額の空売りポジションを組み直して仕掛けてきたので、今週は上がる場面がほとんどありませんでした。

 これは日本の感染急拡大が始まったのに、日本政府が、景気の悪化ばかり気にして、緊急事態宣言をしない状況をみて、海外投機筋は

   緊急事態宣言で人の動きを止めない限り、日本の感染拡大は止まらない

と判断し、巨額の空売りを仕掛けてきたわけですから、緊急事態宣言をするまで、下げ相場は終わらないと思います。

 

 

 今週の個人的な成績ですが、先週持越し分については

 3月27日(金)

  買い持越し:コロワイド・トリドール・レオパレス・東武・JAL・NexTone(IPO)

  空売持越し:東武

でした。

 3月30日(月)

  利確:東武(買い・空売り)・トヨタリクルート信越化学・しまむら

  損切:コロワイド・トリドール・JAL・レオパレス・NexTone

  デイ買い:トヨタリクルート信越化学・しまむら

  買い持越し:無し

  空売持越し:東武

 3月31日(火)

  利確:東武リクルート・リコー

  損切:無し

  デイ買い:リクルート・リコー

  買い持越し:西松屋

  空売持越し:東武

 4月1日(水)

  利確:東武・日本製鉄

  損切:リクルート西松屋

  買い持越し:西松屋

  空売持越し:無し

 4月2日(木)

  利確:西松屋・日本製鉄・JFE・セゾン

  損切:三菱重工・JAL・三協立山

  デイ買い:日本製鉄・JFE・三菱重工・セゾン・JAL・三協立山

  買い持越し:無し

  空売持越し:キューピー

 4月3日(金)

  利確:キューピー・ダブルインバース

  損切:無し

  デイ買い:ダブルインバース  

  買い持越し:ダイセキ

  空売持越し:無し

 

 東武以外の優待取りは、27日金曜夜のPTS市場で処分しました。

 東武以外の優待取りは、配当落ち分があるので、成績上小幅マイナスですが、配当と優待券の金額を考慮すると、JAL・トリドールは優待タダ取り成功、コロワイドは優待券の半分くらいの損失、レオパレスは失敗となります。

 先週権利が当たった、月曜IPOのNexTone、相場環境が良かったらだいぶ上がっていたのでしょうね。

 結局上場日に安値を付けた後は、一気に切り返し、大きく上がりました。

 東武空売りは成功でしたが、貸借倍率が極端で、あまりにも空売りが多すぎるので、投入金額は抑えたことから、小勝ちで終わりました。

 全体的には、今週も小勝ちでした。

 

 今週の話題は、何といっても

   全世帯「マスク2枚」配布

でしょうね。

 ネット上には、

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 こういう作品が氾濫していました。

 いずれもなかなか良くできており、投稿者の発想力の豊かさに感心すると共に、思わず笑っちゃいましたので、著作権の問題がちょっとありますが、ここで紹介しておきます。

 総額で300億円級(マスク代200億超+配送費数十億)の、このマスク配布。

 この対策の評価については、ここではしませんが、数日前から↑↑↑の人だけ、妙に小さい変なマスクをしているなあと思っていたら、この為だったのですね。

 子供のころ、確かにこういうマスクありました。

 当時は、今のように使い捨てマスクは無かったので、給食の配膳係になったときや病気が流行った時に付けていた記憶があります。

 残念ながらガーゼマスクのウィルスを遮断する効果は、通常のマスクよりかなり低く、気休め程度だそうなので、ガーゼとガーゼの間にキッチンペーパーを挟むと良いようです。

 

 金曜日の大引け間際に、一世帯当たり30万円の給付金決定の情報が出て、日経平均株価が200円近く戻りましたが、これが貰える適用条件はかなり厳しそうですし、大半の世帯は給付対象外でしょうから、株価への影響は続かないでしょう。

 

 

セミリタイア生活も、5年目に突入(投資生活の思い出・その1)

 

 今日は、2020年4月1日。

 2016年3月31日付で退職し、サラリーマン生活を辞めてから満4年が過ぎ、今日から5年目に突入しました。

 また、このブログもちょうど100本目の記事となりました。

 セミリタイアと言っても、今のところ特に仕事をしないで済んでいます。

 専業投資家になった時には「ダメなら、また働こう」と思っていましたが、今のところ投資で何とか食い扶持は稼げています。 

 ただ、専業になった時には、「もう少し稼げる」と思っていましたが、世の中そうは甘くはなく、生活費が常に流出し続けていることや、予想外の大きな負けを食らったりもあり、昨日で満4年となったものの、最近は投資額を抑えているので、今のところあまり資産は増えていないです💦

 

 この機会に、投資の過去を振り返って、ちょっと昔話をしてみようと思います。

 

 大学卒業時が、思いっきりバブル崩壊後の就職氷河期にぶちあたってしまい、何とか就職できた企業も典型的なブラックだったので、「これじゃあ、定年まではとても無理だ、いつか辞めないと」と思い、辞めるための金融資産を作ろうと思ったことが、投資を始めたきっかけでした。

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 投資初心者の頃は、ちょうどITバブルの時代。

 この頃は、まだ株の売買手数料が自由化されておらず、手数料の中に取引税が含まれていました。

 売買代金に応じて手数料が決まっていたので、その手数料以上に値上がりしてくれないと、利益が取れないという、厳しい時代でした。

 初めての口座はネット証券で開きましたが、当時は「Eトレード(現在のSBI)・DLJSFG証券(現在の楽天証券)・今川三澤屋証券(現在の立花証券)」等の名前でした。

 松井やマネックスは、現在も名称は変わっていませんが、今振り返るとネット証券業界も、大きく変わったものです。

 そのうち手数料が自由化されましたが、ITバブルも崩壊に。

 このITバブルの時代ですが、

 Yahoo株(4689)が、1単元1億円を超えていた時代(最高値は16790万)でした。

 だから当時のヤフー株は、金持ち専用の株。

 YOZAN株(6830)が、IPOの時に1株1600万円の初値を付けたことも話題になりました。

 YOZANは、その後上場廃止となり、2017年に倒産しています。

 下のチャートのように、トンデモナイ株価にまで上がった光通信(9435)のストップ安記録もありましたね。

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 ドコモが、海外ITベンチャーを約1兆円で買収したものの、その後のITバブル崩壊でこの1兆円を全て溶かすという大失態を犯しました。

 「IT」と名前が付けば、何でもありの時代でした。

(これに懲りて、ドコモは、金はあるのに、小口の出資以外しなくなりましたね)

 

 個人的にもITバブル崩壊では、資産を溶かし、本当に痛い思い出しかありません。

 初心者だったですから仕方ないものの、当時MDI(レオパレス)株等で儲けて、一時期は数百万円と元手の倍くらいにまで増えていた資産は、あっというまに100万円以下になり、元本の数分の一にまで激減😭

 

 ITバブルが崩壊してから、そごうやマイカル等が倒産しましたが、特にマイカルは、倒産の約1年前に個人向け社債を発行し、野村等の証券会社が個人投資家に販売したことで、これを買った個人が、大きな損失を被り、社会問題にもなりました。

(結局、マイカ社債は元本の1割程度しか償還されなかったそうです)

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 ITバブル崩壊は、バブル崩壊後も何とか生き残っていたボロボロ企業が、退場に追い込まれまくった時代でもありました。

 

 そごうの倒産から、各銀行の不良債権が再びクローズアップされ、特に財務が非常に弱く、海外金融市場での違法取引で巨額の制裁金と追放処分を受けて以後、凋落甚だしい都市銀最下位行の「大和銀行」なども、倒産が噂され始め…

 ITバブル発生直前には長銀日債銀北海道拓殖銀行山一證券・三洋証券等が倒産する一度目の金融危機がありましたが、2000年のITバブル崩壊に伴い、日本の金融危機はピークに。

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 そのため、バブル期の不良債権に未だに苦しんでいた各銀行は、生き残りを賭けて合併への道を選択しました。

 第一勧銀・富士銀・日本興業銀行が合併し、みずほ銀行が誕生。

 三和銀と東海銀も合併し、UFJ銀行に。

 住友銀行さくら銀行三井銀行太陽神戸銀行が合併した銀行)を救済合併し、三井住友銀行へ。

 その後、三井住友銀行は、傘下のわかしお銀行を存続行とする、逆さ合併というウルトラCを実施し、合併差益で保有株の含み損を一掃するという大技に出ました。

(ですから、現在の三井住友銀行は、昔のわかしお銀行なのです)

 ただ大和銀行は、あまりの財務の弱さに、合併相手が見つからず、株価は暴落。

 大和銀行は、旧野村財閥系で、当時は信託銀行を併設している唯一の都市銀でした。

 最終的には傘下地銀を吸収した後、あさひ銀行(協和銀と埼玉銀が合併して出来た銀行)と合併し、「りそな」となったものの、弱小行同士の合併では、根本的な解決にならず、その後も足利銀行等、地銀を中心に倒産が相次ぐ状況で、2003年にはついに、不良債権処理に行き詰って、自己資本が国内行基準の4%を大幅に下回る2%程度にまで低下し、間もなく倒産という状態にまで追い込まれてしまいました。

 株価も30円台に暴落。

 この株価は、いわゆる倒産価格です。

 それまで原則救済しない方針を貫いていた金融当局が、これ以上の金融危機を回避するために急遽方針転換し、りそな銀に数兆円規模の巨額資本注入を決定して国有化したことで、りそな銀の倒産は回避されたのです。

 この方針転換を一部の海外投機筋は事前に掴み、大きな利益を上げたそうですが、この情報が漏れていてインサイダー取引だったというのが現在の定説ですね。

 

 ただ、その後に振り返ると、このりそな銀の国有化による救済が、バブル崩壊の最終処理に行き着いたという象徴的な出来事だったのだと思います。

 実はこの時点では、まだ表面化していなかった、UFJ銀行の隠れ不良債権という最終爆弾が残っていますが、りそな銀の件の後、全体的な株価は2007年まで上昇モードに入りました。

 (「実感なき好況」と言われた「BRICSブーム・資源バブル」の到来です)

 丁度この時、個人的にも、なけなしの資金を新たに投入し、資本注入が発表された直後にりそな銀株を買って、かなり儲けたことで、投資生活の最悪期を脱出することが出来ましたから、この出来事はよく覚えています。

 

 とりあえず今回の投資思い出話は、ここまでにしておきます。

 個人的には、りそな銀株で纏まって儲けるまで、本当に厳しかったです。

 若いころは収入も少なく、ただでさえ資金が少ないのに、それを失うと、暗黒期から簡単には脱出できません。

 ですから、株に全額投資するのではなく、必ず現金枠もある程度作っておくべきだという教訓になりました。

 

 話は変わりますが、ちょうどこの記事を書いている時の今日後場の後半に、日銀買いが入ったのに、株価が急落しましたが、これはある程度予想されていたことです。

 3月下旬に日本株には「GPIFによるリバランス3兆円買い+27・30日の配当再投資による8000億円の先物買い+日銀の1日2000億円のETF買い+個人の権利取りの買い」という4つの巨大な買い需要があったので、空売りが止み、株価は短期間で大きくリバウンドしましたが、4月に入ると、日銀買いは縮小され、それ以外の買い需要が完全消滅してしまうことから、日本やアメリカの新型肺炎蔓延悪化が止まらない以上、再度売り崩されるのは、致し方ないと思っていました。

 ただ、今日は日銀買いが入ったのに、後場後半だけでここまで一気に下げるとは、ちょっと予想外でした。

   これは、日本政府が追い詰められて、緊急事態宣言をするまで、感染者の急増が止まらないと見た、海外投機筋の新たな仕掛けですから、しばらくの間株価は下がるでしょうね。

 

 

 

 

トルコ・カッパドキア【世界遺産】

 

 新型コロナ肺炎の感染拡大で、入国禁止措置だらけとなってしまい、海外旅行ができない状況が続いていますね。

 残念ながら、今年の上半期、海外旅行に行くのはほぼ不可能でしょう。

 今年の6月から世界一周航空券での海外旅行を計画していたので、こうなってしまったのは本当に残念です。

 でも、行けないと、余計に行きたくなるのは人の性。

 そこで、以前行った海外旅を振り返り、次の行ける機会を待ちたいと思います。

 

 今回は、タイトルの通り、世界遺産のトルコ・カッパドキアです。

 世界遺産ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群」に指定されている、この地域。

 そして、カッパドキアと言えば、この一枚です。

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 最も人気のある、早朝気球ツアーでの写真。

 この日の出を見るために、多くの観光客が深夜にホテルを出て、気球ツアーに向かいます。

 大概のツアーは最初、軽食の朝食会場を兼ねている各気球会社の集合場所に移動し、ここで、各ホテルから気球ツアーに参加する客を待つ形となっています。

 そして、いよいよ気球ツアーに出発です。

 現地に着くと、この写真のように

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 随所で、気球内の空気を温め、飛び立つ準備作業が続いています。

 しばらくすると、出発。

 この時、旅人達が乗った気球は、

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 こちらの操縦士さんの気球でした。

 かっこいいですね^^

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 上昇が始まると、岩の間を気球が上がって行きます。

 多くの気球も、ほぼ同時に上昇開始です。

 そして、一番最初の写真のように、荒涼とした大地からの日の出の瞬間を待ちます。

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 日が昇り始めると、 

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 この写真のような風景に。

 日の出後しばらくは、周囲の岩山がローズレッド色に染まります。

 そして、この気球の数。

 なかなか壮観です。

 100基以上の気球が上がっています。

 

 そして、気球の高さを調整するガスバルブの音と乗客の歓声以外、静かな時間が続きます。

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 気球は、このように、日本企業の広告が入っているものも幾つか見かけます。

 そして、感動の時間はあっという間。

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 こちらは、着地の時の写真。

 本当に時を忘れてしまう貴重な体験でした。

 

 カッパドキアは、世界遺産の名称の通り、

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  キノコ岩と呼ばれる岩石群や、

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 ラクダ岩と呼ばれるものもある、奇岩群が見られる場所です。

 そして、この地域の人たちは太古の昔、奇岩の洞窟で暮らしていました。

 ですから、今でも、これらの洞窟を利用した住居や宿泊施設が多数あります。

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 この写真のとおりです。

 また、太古の教会も岩を掘って作られていました。

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  こちらの写真は、かつてのキリスト教の教会の跡です。

 オスマントルコ帝国というイスラム国家が出来る前は、ローマ帝国の領域でしたので、キリスト教が信仰されていた時代もあったのです。

 

 こちらの写真は、この旅で宿泊した洞窟ホテルです。

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 ホテルの敷地内は、このような感じで、元々ある岩と後から作られた部分が、うまく組み合わされて出来ています。

 次に、こちらの写真は、ホテルの部屋の様子です。

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 こちらのホテルは、部屋も広く、なかなか豪華な造りでした^^

 夕方には、多くの観光客が、高台に集まり、日没とそれに伴う移り行く景色を静かに眺めています。

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 日没時には、光の加減で周囲の岩山の山肌が、ローズピンク色に見えるのが特徴なのです。

 

 カッパドキアでの観光、想像を超える感動がありました。

 ここ最近、トルコの通貨であるトルコリラは歴史的安値に沈んでいます(1リラ16.5円)ので、トルコ旅行は格安で行くチャンスとなっています。

 ちなみに、旅人がこの写真を撮った時は1リラ約40円で、旅行代も結構高かったです。

 アジアとヨーロッパが交錯する地であり、千数百年続いたローマ帝国滅亡の地でもある現在のトルコ。

 今なら格安で行けますから、コロナ騒動が終われば近いうちに、また行きたいと思っています。









 

投資で大負け😢。でも、諦めてはダメ。

 

 ちょっと、釣りなタイトルで申し訳ありません。

 今回負けた話ではなく、以前負けた時の話です。

 

 新型コロナ肺炎で、大きく下げ続けた相場も、一旦下げ止まりました。

 下げ止まりのきっかけは、オリンピック延期決定での空売りの買い戻しでしょうか?

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 今回の急な下げでの損失発生に、気を落とされている方も多いでしょうが、負けたからと言って退場してしまっては、それでおしまいです。

 投資にはリスクがあるものです。

 大きく勝つときもあれば、下手打って大きく負ける時もあります。

 でも、諦めずに続けていれば、いずれ大きな利益を出してくれるものだと個人的には思っています。

 「継続は力なり」

 今回、数年に一度しか発生しない、相場全体の大きな下げを経験したということは、一生で数回しか経験できない貴重な体験であり、次の飛躍への大きな糧になることに違いありません。

 

 大きな下げ相場では無くても、「これは、こうなるだろう」という個人的な読みが大きく外れて、個別で大きな負けを被ることも間々あることです。 

 個別銘柄の記録的な下げを列挙してみると、

 ◎2000年の、光通信(9425)の20営業日連続ストップ安(78800→13800円)

 ◎2006年の、ライブドアショックでのライブドアの暴落(700→150円)

 ◎2016年の、アキュセラインクの連続ストップ安(6790→1990円)

 ◎2019年の、サンバイオの連続ストップ安(11710→2410円)

と言ったところでしょうか?

 これらの銘柄を運悪く買って持っていた場合、超絶悪材料が出たことでのストップ安張り付きなので、売ることが出来ず、逃げることが出来ないまま、自動的に資産が3分の1以下に溶けてしまったのです。

光通信の場合は、売買が成立した日もある連続ストップ安です)

 

 この4つのような極端な下げを食らった場合には、流石に簡単には立ち直れないかもしれませんが、それでも、退場せず諦めなければ、いずれ負けを取り返せると思います。

 

 個人的に、最近で一番の大負けは、ちょうど約2年前の2018年4月の取引です。

 これは空売りだったのですが、最初は読み通りの展開で+10万くらいになっていました。

 そのため、少し放置していたところ、確認した時には、すでに手遅れ...💦

 翌日にはもっとひどい状況になり、あまりにも踏み上げられるので、-100万を超えたところで一旦損切りし、様子を見て、金額を倍に増やし入り直したのですが、これが非常に不味い判断でした。😢

 踏み上げが加速し、あまりにも損失が膨らむので、-400万弱で再度損切りし、もう一度最後の勝負に出ましたが、更に損が増えて...

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 結局、合計ー4,758,891円

 たった3日間で、中堅サラリーマンの年収を溶かしました。

 いやあ、今思い出しても、なかなか厳しい負けでした。

 これだけ負けるのなら、「途中で空売り→買いに切り替えればよかったのに」と思うかもしれませんが、空売りで入ったのにはある程度根拠があり、まずまずの高値で入っている空売りなので、下手に切り替えると、往復ビンタを食らいますし、一度決めた方針の切り替えが簡単に出来ないのが、個人の能力の限界なのでしょうね。

 このような結果になった後講釈ですが、みんなが下がると思って、空売りが積み上がっている状況を逆に海外機関投資家に狙われ、踏み上げを狙った巨額買いを入れらたという、典型的な空売りの失敗パターンで食らった負けなのですが、個人的にも熱くなり過ぎて、何度も攻勢をかけたのがダメでした。

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 でも、この負けですが、小さな勝ちを積み重ねて、約3か月後には取り返しました。

 今回のコロナショック相場である程度負けたとしても、1年以上だらだら下げ続けて、全てが3分の1以下になった、リーマンショックITバブル崩壊に比べたら、現状まだマシな相場です。

 負けを糧に勝ちを積み重ねれば、十分取り返せると思います。

 厳しい相場が続きますが、個人投資家の皆さん、一緒に頑張りましょう。

    

 

 

2020年3月第4週の相場と成績(GPIFと日銀の買い支えで急騰した一週間)

 

今週の日本株

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23日(月)

 オリンピックの延期が確実な情勢になったことで、日本株先物は大幅安だったものの、先週に引き続きGPIFの巨額現物買いが入り、後場には日銀買い、SBGの新たな巨額自社株買いのガイダンスがあったことも効いて、大幅高で終了。

 なお、ダウ先物は終始1000ドル前後の大幅安で、アジア株も大幅安でした。

24日(火)

 NY株は続落したものの、オリンピック開催の件が「延期」で決定したことや3月末における日本株特有の買い需要発生があることから、一部海外投機筋が空売りの買い戻しを開始。GPIFの買いも続いていることもあり、1100円以上の急騰で終了。

25日(水)

 約1か月間に渡る下げ相場のリバウンドから、世界同時株高が発生し、NY株は史上最大の上げ幅での大幅高に。

 日本株もGPIFや3月期銘柄の権利取り買いを巻き込んで、大幅高に。

 後場途中には、難航していたアメリカの巨額対策予算が合意との報道も流れたことで一段高となり、結局日経225は、1400円以上の記録的な上昇で終了。

26日(木)

 NY株は小幅高となるものの、昨晩に日本国内での新型肺炎の感染者が急増し、小康状態と見られていた日本の感染が水面下で進んでいる恐れが出てきたことや、今週3日間で株価が上げ過ぎたことへの反動が出て、後場日銀買いが入るも、NYダウ先物が終始安く推移していることや、感染拡大への警戒感から終盤には1000円を超える下げとなるなど、結局大幅安で終了。

27日(金)

 アメリカの失業保険申請者数が300万人と極端に悪い数字だったことが、逆に追加対策期待となり、(GPIFによるアメリカ株買いもあって、)アメリカ株が予想外の大幅続伸したことで、日本株も寄付きは大幅高となるも、徐々に昨晩のアメリカ株の大幅高に懐疑的な見方が浮上し、先物が大幅安となったことで、日本株も値を消す展開に。

 後場引けには、配当分再投資の数千億円分の巨額買いが自動的に入ることから、再度強含み、大幅高で終了。 

  

 

 GPIFが、株で大きな含み損を抱えたことから、資産のリバランスという理由で、日本株だけではなくアメリカ株買いにも打って出て、底堅い値動きの週でした。

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 ただ、このGPIFによる資産構成リバランスの大量買いは、最大でも3月31日までですし、今週の株高で、含み損がかなり減少したことから、リバランスの金額も減少したので、期末のドレッシング買いはそれほどの規模にはならない見込みです。

 また日本の感染状況が一気に悪化してきており、4月に入ると、日本株に対する3月期末における特殊な買い需要が消える上、権利取りで今週買った個人投資家の売りも断続的に出てしまうので、4月初旬の株価下落には注意してください。

 

 今週の個人的な成績ですが、先週持越し分については

 3月19日(木)

  買い持越し:無し

  空売持越し:無し

で、何も持ち越しませんでしたので、権利取りに向けて新たに仕込む予定で始まりました。

 3月23日(月)

  利確:三井住友フィ(8316)・東洋紡(3101)・国際帝石(1605)・ダブルイン(1357)

  損切:JAL

  デイ買い:三井住友・東洋紡・国際帝石・JAL・ダブルイン

  買い持越し:無し

  空売持越し:無し

 3月24日(火)

  利確:三菱重工(7011)

  損切:武田(4501)・双日(2768)

  デイ買い:武田・双日三菱重工

  買い持越し:無し

  空売持越し:無し

 3月25日(水)

  所用の為、取引無し

 3月26日(木)

  利確:三菱重工ソフトバンク(9434)

  損切:無し

  デイ買い:三菱重工ソフトバンク

  買い持越し:三菱瓦斯化学(4182)

  空売持越し:無し

 3月27日(金)

  利確:三菱瓦斯化学・リコー(7752)

  損切:無し

  優待買い:東武・JAL・トリドールコロワイドレオパレス 

  デイ買い:リコー  

  買い持越し:東武・JAL・トリドールコロワイドレオパレス

  空売持越し:東武

 

 今週は、月曜日・火曜日に新規に買った5銘柄を水曜日まで持ち越さなかったのが失敗でした。

 特に、月曜日に買った4銘柄は、ほぼ底値で拾っていたんですけどね...😢

 今週は基本的に、金曜日の権利取りに向けた買いだったので、買った時は勿論、配当取りを視野に入れて、ギリギリまで持ち越すつもりだったのですが、あまりにも変動の大きい相場なので、含み益が出ると利確に走ってしまい、大した利益にはなりませんでした。

 まあこれは、後で言っても仕方ないことですが💦

 相場全体が一番上がった水曜日は、所用の為、相場にアクセスできず、取引しませんでした。

 月曜に続いて火曜日も、せっかく双日を当日のほぼ安値で入ったのに、利益が出る前に売ってしまうという判断ミスがあって、取り損ねましたが、週間で見ると、木・金で少し利益が取れたので、まずまずの一週間でした。

 

 ところで、火・水の2日間における極端な上昇は、20年以上相場を見てきていますが、初めて見る出来事でした。

 新型コロナ肺炎騒動で、1か月間の極端な下げも、記録的な出来事だったので、短期とはいえ、リバウンドも半端じゃなかったということですね。

 

  来週は、今日高値で入れた東武空売りが成功するかどうかで、成績が決まる週となりそうです。

 

  

新潟・湯沢町 湯沢中央公園の桜🌸

 

 今回は、ちょっとマイナーですが、ゆっくり桜を鑑賞できる場所の記事です。

 新型肺炎蔓延防止対策の為、桜の下でお弁当を食べるようなことは出来ない状況ですし、人が多いと色々と周囲に気を配らなければならない厳しい情勢が続いています。

 でも、人が少ない場所ならば、桜の木の下でベンチに座り、お弁当とお茶ぐらい楽しむことは出来ますよね?

 それが可能な場所の一つを紹介します。

 その場所は、新潟県湯沢町にある「湯沢中央公園」です。

 ここは、関越自動車道が作られた時に整備された公園で、湯沢ICを降りた直ぐ近くの関越道沿いにあります。

 ここは何といっても、人が少ないのが良いところです。

 桜の木の数はそれほど多くありませんが、非常にマイナーなので、ゆっくり桜を鑑賞したい人にはお勧めです。 

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 公園内には、池があって、見栄えのする橋も掛けられています。

 所々にベンチも置かれていますので、座って食べながらの鑑賞も出来ます。

 そして、この写真のように、背景にはまだ雪を抱いた谷川岳連峰をバックに撮影することも出来てしまうのです^^

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 公園内は、枝垂桜が多いのですが、開花時期が4月中旬以降とかなり遅いことから、雪の多い年であれば、公園内に雪が残っていることもあり、新緑の木々と、山と雪とのコントラストを入れた写真を撮ることもできます。

 今年は、暖かいので開花も早そうですが、例年ですとGWの初めでも、このしだれ桜を見ることができます。 

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 今回紹介した写真は、いずれも4月のGWに撮影した写真です。

 桜のシーズンをだいぶ過ぎてから咲くので、人も少なく、本当にゆっくり満喫できます。

 湯沢中央公園は、各種施設が整備され、非常に広大なのですが、写真の桜が鑑賞できる場所は、下の地図の赤丸で囲ったところです。

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 桜を十分鑑賞したら、隣の南魚沼市にある「雲洞庵」を訪れてみてはいかがでしょうか?

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 以前大河ドラマで放映された「天地人」の主人公、上杉景勝直江兼続主従が幼少のころ勉学の為に過ごした、由緒ある寺です。

 大河放映時には、かなり観光客が来ていましたが、既にブームも去り、訪れる人も少なく、ゆっくり境内を散策することができます。

 また宝物殿には、戦国期の貴重な資料も間近に見ることができ、戦国時代ファンには垂涎ものだと思います。

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 湯沢中央公園から雲洞庵までの距離は、約20キロありますが、田舎道なので、20~30分くらいで行くことができます。

 それでは、次の記事まで。

 旅人でした。 

今日は日経平均大暴騰に

 

 今日の日本株は、日経平均が暴騰しましたね。

 巷では、「日銀のETF買いの効果で買い戻された」というような記事が多いですが、現実は少し異なると思います。 

 では、今日なぜ、海外投機筋による先物空売りの買い戻しが大規模に発生したのかについて、分析してみましょう。

 

 まず、急騰の最大の理由は、日銀よりも、GPIFが17日から毎日数千億単位の現物買いを入れ続けている影響が大きいのです。

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 GPIFがこのような巨額買い入れをしている理由は、先日記事にしたとおり、株安で巨額の含み損が発生したことで、株の資産が大きく減少し、債券の割合が上がり過ぎたので、資産のリバランスの必要性が生じたからなのです。www.tabibitoshuu.work

 今回のGPIFのリバランスによって日本株は、最大で3兆円程度の買い需要発生となります。

    この買い需要は、株価が大きくリバウンドすると含み損が小さくなるので、急遽終了となる可能性もある流動的なものです。

 16日の日銀臨時会合で日銀ETF買いの増額に歩調を合わせて、先週の17日からGPIFは巨額買い入れを始めました。

 海外投機筋はこのGPIFの買いに対抗して、彼らが主に売買している日経平均先物の価格が上がらないように、日経平均寄与度の大きい銘柄(ファーストリテイリング・SBG・ファミリーマート東京エレクトロンファナック信越化学等)の個別銘柄に対し、集中的に売りを入れて、利確するまで先物が上がらないようにしました。

 ですから、SBGなどは、S&Pによる格付け格下げもあって、ビックリするくらい先週下げたのです。

 GPIFが先週の17日~19日に買い付けた銘柄は、トヨタソニー以外の、時価総額に比して日経平均寄与度が大きい銘柄は意図的に外して、それ以外の多くの銘柄をリバランスで決めた予定の金額まで、株価に関係なく一気に買い付けを行ったとみられます。

 ただし、今回は株価底入れを演出するため、少々高値掴みになっても構わないという強引な買い入れ方で実施したので、普段売買代金の少ない電鉄株や公益株は、日銀ETF買いの影響や個人の権利取りの買いをも巻き込んで、とんでもない上昇を見せた銘柄が、かなり出てしまいました。

 このため、日経平均が下がっているのに、TOPIXが上がるといういびつな状況が3日間続いたのです。

 

 今週に入ると、GPIFのリバランス買いはいよいよ、普段の売買代金が大きい、日経平均寄与度の大きい銘柄群に回ってきました。

 ちょうど、このタイミングで昨日、オリンピックの延期が事実上決まったので、オリンピックの行方が決まったら日本株先物空売りを買い戻すと公言していた所謂「オリンピック売り」を仕掛けていた幾つかの海外投機筋が、空売りの買い戻しを始めました。

 ちょうど、新型肺炎の悪い話題のピークも徐々に近づいてきており、アメリカ株も下げ幅が小さくなってきましたし、今月末に発生する短期的な日本株特有の買い需要を考えると、これ以上225先物を下げるのは無理だと、一旦利確方針に転換したという状況なのです。

    FRBが無制限緩和に打って出たことも大きいですし、そろそろアメリカの超大型予算も纏まりそうですので、世界的な売り疲れもあって一旦リバウンドへという感じが強くなってきました。

 ですから、先週、先物価格を維持して利確するため、日経平均寄与度の大きい個別銘柄に、浴びせ売りが入って膨らんでいた空売りの買い戻しとGPIFの現物買いが重なって、東京エレクトロンファナック、FR等が今日、暴騰し、日経平均も7%高と暴騰したのです。

(その代わり、先週先行して上げた反動もあってTOPIXは3%高止まりでした)

 225先物とは無関係で株価も高めの、キーエンス・OLC・日本電産ソフトバンク等が、これ程の上昇でも全く上がらなかったことに、今日はあくまで海外空売り筋の先物買い戻しによる急騰だったということがよく表れていました。

 

 また3日後には3月決算銘柄の権利取り最終日も迫っており、3月期末の権利落ち日前後には、日銀の保有する巨額のETFが起因の「配当落ち分再投資(7~8000億円)」という買い需要発生への警戒感や個人の権利取りの買いも重なったことも、本日の1200円高の発生へと繋がりました。

 おそらくGPIFは、NASDAQ市場だけ上昇したりしていることから、既にアメリカ株買いも仕掛けていると思います。

 もし、ダウの急騰があれば、それはGPIFの買いが重なることで発生するのですが、アメリカ株の売買代金は日本よりもはるかに大きいですし、ダウは30社しかないので、いくらGPIFとはいえ、2日間も買えば終わってしまうでしょう。

 

 先週からの下げ止まりや今日の暴騰は、このような理由から発生したもので、「オリンピック・GPIF・日銀・個人投資家権利取り」という日本株特有の買い需給も重なり、先週17日から官系による株買い捲りでの下げ止まり演出から、リバウンドによる大幅高発生という流れなのです。

 ただ、4月に入ると日銀買い以外の買い需要が一気に剥落するので、世界の株価がその時どうなっているのか次第では、二番底に向かって再び下げるのか、それとも徐々にリバウンドモードに入っていくのかが決まると思います。

   また今、日本はオリンピックの延期問題一辺倒報道のせいで、新型肺炎の感染拡大がまるで終わってしまったような雰囲気になっていますが、入国制限で欧米から帰って来た多くの日本人の中には、無症状や軽症の感染者が相当数おり、国内での新規感染者がかなり増え始めていますが、この急拡大も予想されるので、そこを注意しながら、感染の拡大に目処が付いた後の株価の急上昇は、是非取りたいですよね😁

 

 個人的に今日は、前日のNY株の下げが小さかったことで、ある程度の急騰を予想して、寄付き前に気配がそれほど上がっていない銘柄を大きく買ったのですが、この最初に買った銘柄が、今日ほとんど上がらなかった数少ない銘柄の一つという運の無さで、完全にハズレを引いてしまい、思わぬ損切りをしたことで、その後別の銘柄である程度取り返すも小負けで終わるという酷い結果で終わりました😞